東洋経済オンラインでは毎年、上場企業で働く非正社員の実態を調査している。今回は非正社員の比率の高い会社をランキングした。
データは全従業員に占める割合が1割を超えると有価証券報告書で開示が求められる「臨時従業員数」から取得した。2021年11月~2022年10月期の情報を基にすると、非正社員が全体の従業員の90%以上を占める会社は6社、80%以上を占めるのは56社だった。
なお、比率は少数第1位まで掲載しているが、同率の場合は非正社員数の多い会社を上位とした。
上位企業は働きやすさで人材確保を進める
1位は、ベネッセの傘下で個別学習塾を展開する東京個別指導学院。1万人を超える塾講師の約85%をアルバイトの大学生が占めるため、非正社員比率は高くなる。柔軟な働き方で大学生からの人気は高い。生徒数はコロナによる影響が落ち着き、感染リスクの比較的少ない個別授業の需要が回復していることもあり、前年から1000人余り増加し、首位に立った。
同じく1位となったのは100円ショップを展開するセリアだ。人気キャラクターとのコラボ商品が好評で、2024年3月期にも100店舗ほど新規出店する計画。IT化で効率化を進めながらも、店舗増に合わせて非正社員も増やしてきており、従業員(正社員)は500程度にとどまる一方で、非正社員約1万2000人が働く。アルバイト募集では、1日2時間だけや週に1日の勤務など、多様な働き方を認めている。
3位は宅配ポータルサイトの出前館。コロナ禍での宅配需要の高まりで、働き手を増加させた。目下は、アルバイト配達員からデリバリー業務委託への切り替えを進めている。時間拘束がないことや髪形の自由さなどで配達員の確保を進めている。
個別学習塾などで、個別授業を受けるニーズの高まりで大幅に増加させた企業がある一方、飲食チェーンを中心に5年前比で大きく減少させた会社も目立った。5年前比の非正規社員増減数に着目すると、24位のすかいらーくホールディングスは4173人の減少、8位のカッパ・クリエイトは2181人減少し、減少数として目立った。
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