『会社四季報』では毎号、時宜にかなったテーマの特集企画を掲載している。3月17日に発売となった2023年2集(春号)の特集企画は「ROE改善度」「ネットキャッシュ」「採用」だ。
本記事では、このうち「採用」を取り上げてランキングにまとめた。具体的には、2023年4月入社の内定者数に比べて、2024年4月入社の採用予定者数が増えた順に、上位50社をピックアップしている。なお、「増加」「前年並み」など定性的な回答だった企業は集計対象から除外した。
ランキング1位は、製造業向けの人材派遣・請負大手のUTグループだった。足元では電機や産業機器向けに需要が拡大しているほか、来2024年3月期は自動車向けの派遣が復活し、単価も上昇する見込み。派遣先でのシェア向上を図るため、技術職社員を積極的に採用していることもあり、採用予定数は1140人と、2023年4月入社の内定者数から688人も増加する見通しだ。
人員増企業に共通する2つのキーワード
2位のアウトソーシング、3位のウィルグループ、4位のオープンアップグループも、同じく派遣業を中心とした人材関連の会社。昨今の人手不足の状況を如実に表す結果といえそうだ。
5位のエイチ・アイ・エス、7位のスギホールディングス、8位の西日本旅客鉄道は、いずれもインバウンド関連銘柄に位置づけられる。中国でゼロコロナ政策が撤廃され、訪日外国人の本格的な回復が期待される中、関連企業も採用活動を積極化させているとみられる。
「人への投資」を増やす会社は、それだけ将来の事業成長に自信を持っているとも考えられる。その意味において、本ランキングに掲載されている企業は株式市場でも関心を集めそうだ。
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