プロジェクトを始めるときは、やたらと資料の収集や調査をやりすぎたり試作品をつくりすぎたりして、必要以上に時間をかけてしまう人がいるだろう。プロジェクトに直結する行動をする前に事前の準備ばかりに時間をかけるのは「失敗したくない」という気持ちの表れではあるが、一方で大事なことを先送りしているにすぎない。それに、自覚のあるなしにかかわらず、「準備に時間をかける」のは一定の満足感をもたらすので厄介だ。
一般に先送りするのは「いいかげん」とか「ズボラ」な人と思われがちだが、実は違う。アメリカでベストセラーになっている『SECOND BRAIN 時間に追われない「知的生産術」』著者のティアゴ・フォーテ氏は、むしろ完璧主義者ほど物事を先延ばしにしがちだという。完璧主義者がしている生産性が低い仕事の実態に迫る。
クリエーティブな仕事の基本メソッド
何かをつくり出すプロセスを観察すると、「発散(ダイバージェンス)」と「収束(コンバージェンス)」の間を交互に行き来するシンプルなパターンがあることがわかります。
クリエーティブな試みは、まずダイバージェンスから始まります。可能性の範囲を広げて、1つでも多くの選択肢を検討します。外の世界からさまざまな情報のかけらを集め、新たに影響を与えてくれそうなものに身をさらし、新たな道を探索して、自分の考えをほかの人たちに話し始めます。自分が目を向けるべきもの、検討するものの数はどんどん増加する──。これが「発散(ダイバージェンス)」です。
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