一方で、コンバージェンスする段階では選択肢を減らし、妥協し、何が絶対不可欠かを決めていきます。前に進むために可能性を絞り込み、満足のいく結果にたどり着くのが目的で、収束させることにより、作品には命が吹き込まれ、制作者の手を離れます。
ダイバージェンス・コンバージェンスの段階は、あらゆるクリエーティブな仕事の基本です。
作家なら、語りたいストーリーの素材集め、登場人物として使えそうなキャラクターづくり、史実のリサーチがダイバージェンスに当たります。そしてあらすじの作成、話の分岐点の配置、初稿を執筆することでコンバージェンスしていきます。
エンジニアなら、あらゆる可能なソリューションのリサーチ、問題の範囲の検証、新しいツールの手直しがダイバージェンス。特定のアプローチの決定、実装のための設計、設計図に命を吹き込むことがコンバージェンスにあたります。
生産的な仕事をしている錯覚に陥らない
ウェブデザイナーであれば、サンプルとパターンを集め、ユーザーから話を聞いて彼らのニーズを理解する、または可能な解決策を考えることがダイバージェンス。そして解決する問題を決定し、ウェブサイトの設計図を制作したり、デザインをグラフィックファイルに置き換えたりするのがコンバージェンスです。
写真家なら、興味を引かれたものの写真を撮り、異なる種類の写真を並べて比べたり、新しい照明や構図テクニックを試したりするのがダイバージェンス。コレクションのために写真を選んだり、使用しなかった写真をアーカイブしたり、気に入った写真を現像したりするのがコンバージェンスです。
もっとリサーチが必要だろうか、それとも、すでにやったリサーチの整理を始めたほうがいいのか?
視野を広げるべきか、焦点を絞るべきか?
新たなことを始めるべきか、すでに始めたことを終わらせるべきか?
ここで迷いはじめたら要注意です。
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