「情報を集めても行動しない人」に欠けている視点 「分析好き」はいいけど「やってる感」だけでは…

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必死に女性に話しかけている男性
情報を「持ってるだけ」では尊敬されないのだが……(写真:polkadot/PIXTA)
今や誰もがほとんどタダでスマホやパソコンから世界中のありとあらゆる情報を手に入れられるにもかかわらず、好奇心旺盛でまじめな人ほど1日中スマホやパソコンの画面をにらみながら、ムダな時間を過ごしてしまっている。
情報があふれるネットから必要なことが手に入らず、情報に振り回されて終わってしまう……。情報通なのはいいけれど、結局、情報を集めただけで満足してしまう……。こういったパラドックスにおちいってしまうのは、「取捨選択の軸」を持っていないからだ。
世界のビッグカンパニーで生産性が高まる仕事のやり方を指導するティアゴ・フォーテ氏は、近著『SECOND BRAIN(セカンドブレイン)時間に追われない「知的生産術」』で、効率的で創造性に富む情報の集め方を解説している。

書類を探す時間は年間でなんと76時間

『SECOND BRAIN(セカンドブレイン)時間に追われない「知的生産術」』 (書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、一般の人が1日に消費する情報量はなんと34ギガバイト。同紙に掲載された別の研究では、私たちは毎日、新聞にすると174ページ分もの情報を消費しており、これは1986年の5倍に相当します。

現代人は情報が多すぎることに疲労困憊し、メンタルに負担がかかり、その結果、常に何かを忘れている気がするのです。

世界中の知識に即座にアクセスできるインターネットは、すべての人たちに教育の機会と情報を授けるはずでしたが、代わりに注意力の欠落をもたらしました。アメリカの経済学者で認知心理学者のハーバート・サイモンはこう記しています。

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