「総合型選抜」大学合格に導く親と失敗する親の差 公募推薦も同じく「探求活動」が大きなキモになる

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探究活動は、前述のようにお子さんの興味から始めるのがごく自然なアプローチですが、一方で、行きたい大学や学部に合わせて探究活動を行うという方法もあります。

この方法ではまず、志望校や志望学部の課題レポートの過去問題をお子さんに与えます。例えば上智大学は、ほぼ全学部で毎年2000字程度の課題レポートを課していますので、これをやらせるわけです。

その課題を解くためには、自分なりに文献を調べたり、考えをまとめたりすることが必要になります。そこから学問への探究を始めていくのです。

もう1つご紹介するアプローチが、「すでにやってきた活動と、教授の研究の共通点を探す」方法です。師事したい先生をまず決めたのち、その先生の専門とこれまでお子さんが行ってきた活動実績の共通点を見つけ出していきます。お子さんの活動を志望学部での学びに寄せていくことができ、ゴールが決まるため、課題に取り組むハードルを下げることができるでしょう。

よりハイレベルな「探究活動」を行うには?

ただ一方で、内発的な動機に基づいた探究を行ってないため、結果的に主張するポイントが既存の研究の表面をなぞったものになってしまったり、大学のウェブページの文言の模倣になってしまったりしやすいという課題があります。中身のない、薄い探究になっていないか、目を光らせておく必要があるでしょう。

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少しレベルを上げるならば、ここまでご紹介した3つのアプローチすべてを織り込んだアプローチが理想です。

要するに、入りたい大学・学部や師事したい教授は決めつつも、自分の中で興味を持っていることについて初学者向けの本を読んだり調べたりすることで、学問に対して自分独自の見解を持っていく、という形です。

この形でアプローチができれば、お子さんの内発的な動機や興味・関心と、大学側が求める学生像という両方の条件を満たす探究活動につながりやすくなります。

いずれにせよ、親御さんのほうがお子さんよりも、世の中のことについては多く知っているはずです。その経験を生かしながら、お子さんにアドバイスしていくのがいいでしょう。

竹内 健登 受験コンサルタント、ホワイトアカデミー高等部塾長

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たけうち けんと / Kento Takeuchi

東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から、企業の人材戦略の道へ。新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から「ホワイト企業」を研究。自社メディア「ホワイト企業への道」で掲載したところ、就活生や親御さんの間で話題となり、月間で35万PVを達成した。現在も、「ホワイト企業からの内定が1件も得られなければ、授業料全額返金」という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。元デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタント。

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