政府に情報を上げなかった東電の初動に疑問--フランス高級紙ル・モンドは大震災をどう伝えたか、駐在記者に聞く


 それから、日本人はフランス人と比べると、政府(の発信する情報)を信頼しているようにも思えます。フランス人だけでなく外国人全体と比較しても日本人にはそうした傾向があるといえるでしょう。

--今回の原発問題がフランスにエネルギー政策の変更を迫る可能性はありますか。

それが今日、実現するとは思いません。政策変更には強い大衆の「圧力」が必要でしょう。でも、今のところ、反原発の動きはさほど強くありません。

ドイツは現在、脱原発の動きを奨励しています。一方、フランスではそうした機運が盛り上がっていません。福島の原発事故が一石を投じた面はあるでしょう。ある程度は議論が活発化するかもしれませんが、やがては終息すると思います。

フランスでは原子力関連業界の力が非常に強い。ロビー活動にも熱心です。それゆえ、議論の広がりにも限界があります。それに、多くのフランス人は、今回の福島原発の事故が自分の国の問題だとは思っていません。それがたとえ風力であっても、太陽光であっても、原子力だとしても関係ないと…。
 
 フランス政府は政策変更を望んでいません。実際、閣僚からもそうした趣旨の発言が聞かれます。

Philippe Mesmer
仏トゥールーズ大で学士号取得(歴史学)。その後、パリのジャーナリズム高等学院に学び、2002年に来日。05年からル・モンド記者。※撮影:吉野純治

(聞き手:松崎泰弘 =東洋経済オンライン)

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