「縮小は必至?」人事部門の既存業務に淘汰の嵐 社員ににらみを利かせる「人事屋」は過去の人に

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縮小
日本企業の人事部門は変革を迫られている(写真:CORA/PIXTA)

働き方改革・ジョブ型雇用・賃上げなどの課題が目白押しの昨今。日本企業の人事部門は、フル回転で課題に対処しており、社内で以前よりも存在感が高まっているように見えます。

ところが、長期的にはジョブ型雇用(以下「ジョブ型」)の浸透やAIの発達によって、採用・教育・異動・評価・報酬といった業務が人事部門からなくなり、日本でも人事部門が消滅してしまうという予測があります。今回は、将来の人事部門のあり方について考えてみましょう。

アメリカ企業には人事部門がない?

日本企業の中には、アメリカで一般的なジョブ型の導入を進めているところがあります。ジョブ型になると、次のように人事部門の業務がなくなっていきます。

① 採用

ジョブ型は、「新しい営業所を作るので営業担当者が5人必要」という具合に必要な人材を必要な時に必要な数だけ採用する欠員採用が基本です。欠員採用は、経験者の中途採用が主体で、現在の日本でもそうであるように各事業部門が採用活動を主体的に行います。

② 教育

ジョブ型では、即戦力を中途採用するので、日本のように手間暇かけて新人教育をしません。同期という概念がなく、階層別教育もありません。業務遂行のために教育が必要になったら、各事業部門の中で実施します。

③ 異動

ジョブ型では、採用段階で応募者に入社後どの職場でどのジョブを担当してもらうのか明示して雇用契約を交わします。したがって、日本のように会社側が辞令1つで従業員を異動させるということはなく、異動という考え方はありません。

④ 評価・報酬

ジョブ型では、ジョブに値段をつけて雇用し、会社がその従業員を必要だと思えば同じ報酬で続けてもらい、必要ないと思ったら辞めてもらいます。日本のパート・アルバイトと同じように、評価や定期昇給はありません。

このように、ジョブ型になると、いま人事部門が担っている業務の多くがなくなります。実際にアメリカでは、かなり大きな規模の企業でも、各部門の中に人事担当者が少数いるだけで、専門の人事部門が存在しないというケースが珍しくありません。

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