SAPIX式「頭のいい子がやってる」家庭学習の習慣 日常のなかにある学びのチャンスを拾い上げる

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これは教科の学びだけの話ではありません。子どもは1つでも得意だと思っているものがあると救われます。その得意なことをしているときに、ホッとできたり自信をもてたりするからです。

勉強が苦手でも、サッカーが得意だったり、リコーダーを吹かせたらいちばんうまかったり。鬼ごっこで絶対に捕まらないという特技でもいいでしょう。

「これならばできるぞ」と思うものが1つでもあれば、それが子どものよりどころになります。

ご家庭では子どもの「得意」を否定せず、一緒に見つけて、褒めてあげられるといいでしょう。得意なことに没頭できる時間を十分に設けてあげることは、子どもが安心する大事なポイントなのです。

一方で、「あなたは勉強が苦手だからね」「算数は本当にできないね」と伝えてしまうと、子どもはその言葉を鵜呑みにして、苦手意識をもってしまう可能性が高まります。また、苦手教科の勉強ばかりに注力すると、その教科が嫌いになってしまう危険性もあります。

スマホを見ながら「集中しなさい」と子どもに言っていませんか?

子どもが集中していないとき、どう伝える?

× 自分(保護者)はスマホを見ながら「集中しなさい」と伝える
〇 子どもが集中できる環境を整えてから「集中しなさい」と伝える
⇒親が集中している姿を子どもに見せる

子どもの集中力は短いものです。さらに言うならば、大人だってずっと集中していられる人はほとんどいません。仕事をしていても、あちらこちらに意識がいってしまって困っている人も多いでしょう。

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まずは、こうした人間の前提を踏まえておくことが大切です。

そのうえで、子どもへ「集中しなさい」と伝えるときは、はたして集中できるような環境にあるかを確認してください。

子どもには「勉強に集中しなさい」と言っているのに、保護者がテレビを見ているようなことはありませんか? あるいは、保護者がスマホでゲームをしていたら、子どもはそちらが気になります。

さらに可能であれば、お父さんお母さん自身も何かに集中している姿を子どもに見せましょう。子どもが勉強をしていたら、その横で資格の勉強をしたり読書をしたりするのです。

ときどき「宿題たくさんあるね。お母さんも今日は資格の勉強をこのページまで進めようと思っているの。一緒にがんばろうね」と子どもの取り組みを肯定していくのもおすすめです。

佐藤 智 ライター・教育コラムニスト

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さとう とも / Tomo Sato

両親ともに、教師という家庭に育つ。都留文科大学卒業後、横浜国立大学大学院教育学研究科へ入学・修了。教員免許取得。新卒で、ビジネス系出版社の中央経済社へ入社。その後、ベネッセコーポレーションに中途入社し、教育情報誌『VIEW21』の編集を経て、独立。ライティングや編集業務を担う、レゾンクリエイトを設立。著書に、『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『先生のための小学校プログラミング教育がよくわかる本』(共著/翔泳社)がある。

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