算数が苦手な子は中学に入って「数学得意」になるか?
佐藤:算数と数学は一緒に語られることが多いです。例えば、「小学校で算数嫌いだったから、中学校に入っても数学が苦手だろうな」と思いがちではないでしょうか。算数が苦手であっても、中学校の数学で巻き返す子もいるのでしょうか。
広野:結論から申し上げると、そういう子もいます。それは算数と数学が別物だからです。例えば、小学校時代に面積図で上手に解けていた、あるいはダイヤグラムを書くことで解けていたとしても、数学の代数分野では方程式をいかに使いこなせるかが問われるので、別のアプローチが求められるのです。こうした点が、算数と数学が似て非なるところです。
中学校に入り、頭の中を完全に切り替えられた子は、数学の分野になってもぐんぐん力を伸ばしていきます。
佐藤:逆にいうと、小学校時代は算数が得意だったけれど数学に入って苦手になることもあるということでしょうか。
広野:残念ながらありえます。中学生になっても算数の解き方に固執していると、軌道に乗れず、数学が苦手になってしまう可能性があります。もう少し具体例を紹介すると、算数ではどんなアプローチであっても答えに辿り着けばよかったんです。
しかし、中学校に入ると幾何分野であると、「どうしてそうなるのか」を論理的に答案を書き込んで証明するといったことが問われます。型にはまった解き方で答案を書く練習が求められる側面もあるんです。
佐藤:そうなると、数学を学び始めるタイミング、つまり中1の時期は重要になりそうですね。問題の解き方を切り替えて、それを定着させていく、積み上げが必要な時期といえそうです。
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