出口治明、20代社員を叱ったら「愚か」と返された訳 仕事は若い世代にどんどん任せたほうがいい

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日本生命出身でライフネット生命創業者の出口治明・立命館アジア太平洋大学(APU)学長は、若い世代に仕事を任せることの重要性を説きます(撮影:尾形文繁)
「マネジメント」に悩むビジネスパーソンは多いと思いますが、その本質は「いま、どの方向に風が吹いているか、社会がどのように変化しているかを見極め、変化に適した人材に『任せる』こと」と話すのが、日本生命出身で、ライフネット生命の創業者でもある出口治明・立命館アジア太平洋大学(APU)学長です。
新著『決定版 「任せ方」の教科書  部下を持ったら必ず読む「究極のリーダー論」』を上梓した出口氏が、「若い世代に仕事を任せるべき理由」について解説します。

坂本龍一さんの曲作りの源泉

かなり昔の話ですが、作曲家の坂本龍一さんが、あるインタビューに答え、「自分に、天分は何もない」と言い切っていたような記憶があります。「自分の友だちには、音楽家や作曲家がたくさんいる。彼らには、才能もセンスもある。ひらめきも鋭い。けれど自分には、何一つない」というのです。

センスも、才能も、ひらめきもないとしたら、どのようにして曲を生み出しているのでしょう?

「頭の中から、昔聴いた音楽を引っ張り出して、古い音符を組み合わせているだけ」――子どものころから音楽が大好きで、24時間音楽に触れ、そのころからのインプットが曲づくりの源泉になっていたのです。

坂本龍一さんは、クラシック、ジャズ、歌謡曲からも、さまざまな音符を頭の中に取り入れた。そして、それらを組み合わせて、新しい表現を生み出しました。

ところが多くの人は、彼のようにたくさんの音符が頭の中に入っているわけではありません。組み合わせのパターンも少ないため、新しいアイデアが生まれません。

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