「そんな発想しかできないから、60代はダメなんです。出口さんは僕のことをふざけているとか、愚かだとか言いますけど、20代、30代がこの企画を見たら、こう考えるに決まっています。『こんなことにチャレンジする生命保険会社は、すごい』って……。
この企画を見て、『こんなふざけた生命保険会社には任せられない。解約しよう』と思う20代、30代は絶対にいません」
彼は「自信がなければ、こんな企画は提案しない」と力説します。そこで僕は、彼の提案に乗ることにしました。「最悪、見た人の4割が罵詈雑言吐いても、我慢すればいいだけのことだ」と腹をくくったのです。
非難する書き込みはほとんど「ゼロ」
結果は、どうだったか……。大成功でした!
ライフネット生命を非難する書き込みはほとんど「ゼロ」だったのです。それどころか、好意的な書き込みをたくさんいただきました。
「暑さに耐えてよく頑張った。感動した!」
「大企業にはとても真似できないゲリラ的PR手法」
「すべてがパーフェクト!(笑) ちくしょう、ライフネットのことを調べたくなったじゃないか」
ライフネット生命のホームページへのアクセスも増え、たくさんのお申し込みをいただくことができたのです。このとき痛感したのは、60代に、20代、30代の考えは「わからない」ということです。
「60代は、20代も30代も経験してきているので、下の世代の考えがわかる」と思いがちですが、そんなことはなかったのです。
僕がいくら考えても「ハトに生命保険を選ばせる」という発想は出てきません。僕の中にある音符では、そのアイデアを紡ぎ出すことはできないのです。
その後は、「PR効果があるのなら、若い社員の言う通りにする」と決め、10万契約突破を記念して納豆を10万回混ぜてみたり、タレントのスギちゃんのような格好をしたり、いろいろアホなことをやらされました(笑)。
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