日本生命で国際業務部長だった頃、僕が抱えていた部下の数は、全世界で約250名。僕は海外駐在のすべての部下に対して、年に1回は、必ず顔を見に行っていました。たとえ部下が遠く離れた町に赴任していても、です。
電話やメールで「君たちの活躍が会社の将来に役立つ」と伝えたところで、部下のやる気は引き出せません。部下をリスペクトするなら、世界のどこにいようと、最低でも1年に1回は顔を見に行き、直接、声をかけるべきだと思います。
任せられるから、「できるようになる」
②成長する(視野が広がる)
前々回の記事(『「部下が全然動かない」と嘆く上司の超残念な盲点』)でも説明しましたが、一段高い仕事にチャレンジすれば、視野が広がります。「器が人をつくる」と言われているように、一段高いところに登らされると、「期待に応えようと頑張り、自然と成長していく」ものです。
「できるようになったから、任せる」のではありません、順番が逆です。「任せるから、できるようになる」のです。
同様に「少数精鋭」という言葉があります。この言葉は、「精鋭の人を少数集める」といった意味として使われることが多いようですが、僕の考えは違います。「少数だから、精鋭にならざるを得ない」のです。
③責任感が身につく
ひとたび仕事を任されたら、権限に対応する責任を負うことになります。
部長から「1週間後の会議で、オレの代わりに○○○について説明してほしい」と言われたら、責任を持って説明するしかありません。当日「準備できなかったから」との理由で休むわけにはいきません。権限と責任はセットになっています。任された以上は、責任を持ってやり通すしかありません。責任感とは「どんなときにも、ベストを尽くす」ことなのです。
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