出口治明、20代社員を叱ったら「愚か」と返された訳 仕事は若い世代にどんどん任せたほうがいい

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日本生命で国際業務部長だった頃、僕が抱えていた部下の数は、全世界で約250名。僕は海外駐在のすべての部下に対して、年に1回は、必ず顔を見に行っていました。たとえ部下が遠く離れた町に赴任していても、です。

電話やメールで「君たちの活躍が会社の将来に役立つ」と伝えたところで、部下のやる気は引き出せません。部下をリスペクトするなら、世界のどこにいようと、最低でも1年に1回は顔を見に行き、直接、声をかけるべきだと思います。

任せられるから、「できるようになる」

②成長する(視野が広がる)

『決定版 「任せ方」の教科書 部下を持ったら必ず読む「究極のリーダー論」』(角川新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

前々回の記事(『「部下が全然動かない」と嘆く上司の超残念な盲点』)でも説明しましたが、一段高い仕事にチャレンジすれば、視野が広がります。「器が人をつくる」と言われているように、一段高いところに登らされると、「期待に応えようと頑張り、自然と成長していく」ものです。

「できるようになったから、任せる」のではありません、順番が逆です。「任せるから、できるようになる」のです。

同様に「少数精鋭」という言葉があります。この言葉は、「精鋭の人を少数集める」といった意味として使われることが多いようですが、僕の考えは違います。「少数だから、精鋭にならざるを得ない」のです。

③責任感が身につく

ひとたび仕事を任されたら、権限に対応する責任を負うことになります。

部長から「1週間後の会議で、オレの代わりに○○○について説明してほしい」と言われたら、責任を持って説明するしかありません。当日「準備できなかったから」との理由で休むわけにはいきません。権限と責任はセットになっています。任された以上は、責任を持ってやり通すしかありません。責任感とは「どんなときにも、ベストを尽くす」ことなのです。

出口 治明 立命館アジア太平洋大学(APU)学長

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でぐち はるあき / Haruaki Deguchi

1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に同社を退職。2008年にライフネット生命を開業。2017年に代表取締役会長を退任後、2018年1月より現職。『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『人類5000年史Ⅰ』(ちくま新書)、『「全世界史」講義Ⅰ、Ⅱ』(新潮社)、『仕事に効く教養としての「世界史」Ⅰ、Ⅱ』(祥伝社)、『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』(角川oneテーマ)、『教養は児童書で学べ』(光文社新書)、『ゼロから学ぶ「日本史」講義Ⅰ』(文藝春秋)など著書多数。

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