「タイタニック」25年後の今でも全然色褪せない訳 ジャック? ローズ? 本当の主人公は誰なのか
映画『タイタニック』が今また旋風を巻き起こしている。25周年3Dリマスターの2週間の限定上映が、満席続出でチケットが取れないとニュースになったほどだ。
この熱狂は日本だけではない。同時に公開されたイギリス、韓国、インド、香港などでも週末ナンバーワンのヒットを記録しているそうだ。
1997年の公開時、世界歴代映画興行収入で1位になり、20世紀に公開された映画の中で最も多くの人が見た映画となった。今でも変わらず日本の歴代洋画興行ランキングでは1位をキープしているが、これほどまでに愛されているのはなぜだろうか?
(※ここから先は物語のネタバレを含みますのでご注意ください)
究極のラブストーリー+極上の群像劇
『タイタニック』の良さは下記2つに集約されるだろう。
①身分の差を越えた究極のラブストーリーとしての素晴らしさ
②死に直面した人間模様を描いた群像劇としての素晴らしさ
ジャックとローズのラブストーリーが世代や国境を越えて愛されたのはもちろんだが、ローズの母、フィアンセ、他の乗客や乗組員など、沈みゆく船の中で、それぞれに違う行動を取る彼らの姿も、多くの感動を与えてくれた。
手段を選ばず助かろうとした人もいれば、潔く死を受け入れようとした人もいる。最後まで演奏を続けた音楽家、ベッドの上で身を寄せ合い最後を共にする夫婦、呆然と立ち尽くし無念がる船長や設計士など、皆さんの脳裏にも鮮明に残っている姿があるのではないだろうか。
ちなみに「『タイタニック』の主人公は誰か?」と言われたら、あなたはどう答えるだろうか?
多くの人が、レオナルド・ディカプリオが演じたジャックだと答えるだろう。この作品で一躍有名になったディカプリオが、あまりも素晴らしかったのは間違いない。しかし『タイタニック』はローズの物語と考えるほうが自然であるというのが私の考えだ。
なぜローズは映画のラスト、ブルーダイヤモンドを海に捨てたのか?
なぜローズは写真を肌身離さず持っていたのか?
なぜローズの孫が登場しているのか?
これらの問いを考えることで、いかにこの物語がローズを軸にした物語であるかが見えてくる。
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