また企業に目を向けると、三菱商事や住友商事では、所属や年齢を問わず、社員に対して「AIやデジタル研修」を1000人規模で行っている。丸紅は先端分野であるAIを実践的に学べる講座を50人に対して提供し、学習テーマも自分で決める方式で研修を行っている。
これらのデジタル研修を通じて、商社として新しいビジネスモデルの提案、デジタル技術を活用した事業効率化による利益増大を図ろうという意図が見える。
では自治体や企業の取り組みを踏まえたうえで、個人レベルでのリスキリングについて考えてみよう。
リスキリングは「自分がまだ保有していないスキルを学習することで新しい仕事を手に入れること」だと前述した。
つまり、リスキリングの目的は、リスキリングすることで転職したり、今の職場で新しいポジションに異動、新しい業務を手に入れることだと言える。
リスキリングに成功するためには、次のような4つの要素を事前に整理して、決めておくことが重要だ。
リスキリング学習を進めながら微調整することはあるが、この4大要素を決めずに始めてしまうと、リスキリングが失敗することが多いと感じる。
②学習内容(WHAT)リスキリングするために何を学ぶべきか?
③学習方法(HOW):どのような方法で学ぶべきか?
④学習計画(TODO):どのようなステップ、スケジュールで学ぶべきか?
これらを事前に意識し、プランを立てて進めるだけでリスキリングの成功率は変わる。
リスキリングを行ううえで感じた課題
しかし、事前にこの4つのポイントを整理してリスキリングを始める人は少ない。
実際にウズウズカレッジのユーザーに「リスキリングを行う上で感じている課題」を聞いてみると、以下のような結果となった(外部配信先では図表、グラフなどの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
多い順で見ていくと、「効率的な学習方法がわからない(31.2%)」が最も多く、効率的に学習する方法がわからずに苦戦している人が多いことがわかる。
「学習時間をどのように確保したらいいのかわからない(19.3%)」にも関係することだが、社会人やフリーターとして仕事をしながら学習することを考えると、最少の時間で効率的にリスキリングを成功させるための「学習方法(HOW)」と「学習計画(TODO)」は非常に重要だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら