部下の仕事「60点」で納得せぬ上司が実はダメな訳 「自分1人で何でもできる」というのは勘違い

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上司が部下を信頼しても、部下がやる気を出してくれなければ、「60点」未満の仕事しかしてくれないかもしれません。どうしたら部下はやる気を出してくれるのでしょうか? どうしたら部下は自ら進んで「仕事を任せてほしい」と思うのでしょうか?

上司が部下を動かす(マネージャーがプレーヤーを動かす)方法は、次の3つに集約されると思います。

【部下を動かす3つの方法】
①上司を好きにさせる
②圧倒的な能力の違いを見せる
③必死に働いている姿を見せる
①上司を好きにさせる

部下から「愛される上司」になることです。仮の話ですが、もし上司と部下の間で「恋愛」のような関係を築くことができれば、部下は「好きな人のために、進んで働く」でしょう。上司は、部下に愛されたら勝ちです。「上司が何も言わなくても、必死になって働いてくれる」ので、上司はラクができます。

ただし、人が人を好きになるのは、本能的なものなので、とてもむずかしい。なかなか思うようにはいかないでしょう。上司にとっては、もっともラクができる反面、もっとも確率が低い方法でもあります。

②圧倒的な能力の違いを見せる

上司の能力がケタ違いだと、部下は上司に従うしかありません。「こんなにすごい上司には、かなわない。参りました」「性格的には好きではないが、すごい能力を持っているから、言うことを聞くしかない」と思わせることで、部下は動いてくれます。ですが、この方法もむずかしい。人間の能力は、上司も部下もそれほど変わらないからです。

③必死に働いている姿を見せる

この方法が最も現実的です。

『決定版 「任せ方」の教科書 部下を持ったら必ず読む「究極のリーダー論」』(角川新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

部下から愛されているわけでもなく、圧倒的な能力を持っているわけでもないなら、「必死に働いている姿を見せる」しかありません。

そして「あの上司は、誰よりも一所懸命仕事をしている。いつも仕事のことを考えている。自分はあんなに仕事に打ち込んだことはない。あの上司にはかなわない」と思わせることができたとき、部下は上司の言うことを聞くようになるものです。

もちろん「忙しくしているフリ」ではダメです。口ではいいことを言っても、行動がともなっていなければ、部下に見透かされます。

「建て前は、絶対に部下に見破られる」と肝に銘じて、必死に働く必要があります。

出所:『決定版 「任せ方」の教科書』
出口 治明 立命館アジア太平洋大学(APU)学長

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でぐち はるあき / Haruaki Deguchi

1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2005年に同社を退職。2008年にライフネット生命を開業。2017年に代表取締役会長を退任後、2018年1月より現職。『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『人類5000年史Ⅰ』(ちくま新書)、『「全世界史」講義Ⅰ、Ⅱ』(新潮社)、『仕事に効く教養としての「世界史」Ⅰ、Ⅱ』(祥伝社)、『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』(角川oneテーマ)、『教養は児童書で学べ』(光文社新書)、『ゼロから学ぶ「日本史」講義Ⅰ』(文藝春秋)など著書多数。

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