テレビ局から有力社員が次々いなくなる深刻事情 羨望の的だったはずが魅力的な企業ではなくなった
今年に入り、テレビ局に勤める有名・有力社員の「退社」が相次いで報じられている。
フジテレビの三田友梨佳アナ、朝日放送のヒロド歩美アナ、日テレ・篠原光アナはそれぞれこの春に退社をすることが発表されている。
またテレビ東京で「家、ついて行ってイイですか?」などの人気番組を手掛けた高橋弘樹プロデューサーも、2月末で同局を退社するという。昨年末にはTBSでアナウンサーを務めていた国山ハセン氏が退職している。
退職後の活動はさまざまである。三田アナは出産を控えていて、子育てを重視していくという。篠原アナはeスポーツ関連の仕事を行うとのことだ。
私自身、9年前に日本テレビを退職した立場であるが、テレビ局の社員が会社を辞める理由は「人それぞれ」である。
アナウンサーやプロデューサーといった職種にもよるし、年齢もかかわってくる。またそこまで積んできたキャリアや実績にもよるだろう。
昔からフリーや移籍、別業界へ転身するケースはあった
入社してまだ数年、20代で辞める人間と40代50代で辞める人間にも、やはり違いはある。
テレビ局には以前から「辞めていく社員」は存在した。
アナウンサーがフリーになるケースは、多くの人が知るところとなるのだが、それ以外にもドラマのプロデューサーが他の局に「移籍」して社員になった事例は数多くある。
一時期、日本テレビのドラマ部門からはフジテレビへの〝流出〟が頻繁に起きた時期もあった。
私のように制作会社を作り、「フリー」的なスタンスで各局の番組に携わるケースも数多い。
また、かつてのテレビ局には「いいところの子女」も多く入社していた。
オーナー系企業の長男、などという人間が一定期間をテレビ局で過ごして、やがて地元に戻り「家業を継ぐ」ということも多かった。
あるいは海外の大学に留学して「学び直し」をしたいという人間、さらに父親などの「地盤」を継いで県議や市長になるケース、あるいは報道記者から国会議員や県知事などに転身する、などという話もよくあった。
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