M&M's「キャラクター活動休止」になった深いワケ 若者にアピールするはずが、猛批判を受けて…

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「文化的に適切であるのはいいことだ」とセンターはM&M'sが置かれている状況についてこう話す。M&M'sは文化論争の最前線にいることを明確に受け入れ、この状況を自らからかうくらいがいいと提案する。

ところが、今回の会社の動きはレガシー(古くからある)ブランドが社会的意識の高い若者たちと繋がりを持とうとし失敗する、という最近の傾向に陥ってしまっている。

ミルマンはM&M'sの騒動を、2018年にナイキが(人種差別に抗議したフットボール選手)コリン・キャパニックを広告などに起用して炎上した一件と比較した。「起用が最初に発表されたとき、人々はナイキのスニーカーを車で引いたり、燃やしたり、破壊したりしていた。人々はナイキが過ちを犯したと思ったのだ」と同氏は話す。だが「3カ月後、ナイキのシェアは上がっていた。ブランドが今、有権者と有意義な関係を築こうとするならば、リスクを負う必要があるのだ」。

若者に寄り添おうとすると失敗する

レガシーブランドは、特に広告キャンペーンで社会正義の問題を取り上げる場合、若者とつながることが難しいと感じている。

2019年、バーガーキングは、メンタルヘルスを意識した広告で、(マクドナルドの)ハッピーミールに対抗する「ムードミール」というシリーズ(例えば、「ブルーミール」「DGAF(気にしない、どうでもいい、構わない)ミール」「Yaaas(嬉しい、興奮した状態のYes)ミール」)を発表した。ペプシも、モデルでリアリティ番組のスターであるケンダル・ジェンナーを起用したCMで、彼女が抗議活動に参加する際に警察官にペプシを手渡すという、同様の領域に踏み込んいる。

「このような、社会が直面している非常に現実的で人間的な問題を、ブランドが広告やマーケティングに利用し、ブランドをその渦中に置くことは、厄介で危険なことだ」と、センターは話す。「特に若い人たちは、そういうことが起こっていることを、驚くほど敏感に、そして驚くほど理解している」。

同氏は、簡単に検索できる過去を持たない若い企業や組織のほうが、若い人たちとつながりを持ちやすいと考える。

広告は、ブランドが若い消費者が聞きたいと思うことではなく、自分たちの価値観を伝えるときに最も効果的である傾向がある。M&M'sはまだそれができていないが、今度のスーパーボウルの広告でこれまで注目を集めてきたことに対して「答え」を出そうと考えているようだ。消費者はそれを待つしかない。

(執筆:Eve Peyser記者)

(C)2023 The New York Times 

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