アメリカ下着業界の女王「ヴィクシー」の凋落

いつの間にか時代遅れ感がハンパない

スーパーモデルを起用したファッションショーはかつてヴィクトリアズ・シークレットの「名物」だったが、近年は時代遅れとの指摘もある(写真:Nina Westervelt/The New York Times)

アメリカの女性向け下着ブランド、ヴィクトリアズ・シークレットの最新カタログが8月に発送されるや、元重役たちの間では電子メールやメッセージが飛び交った。

表紙上部のおなじみのブランドロゴの下には「ロンドン ボンドストリート」という文字が添えられた。モノクロ写真の中のモデルたちの姿はいつもほどいやらしくない。全盛期に戻ったようだと思った人も少なくない。当時、ブランドを牽引したのは架空のイギリス人女性ヴィクトリアの「センス」とロンドンの地名を配したカタログだった(実際には、本社はオハイオ州コロンバスにある)。

ブランド再構築の初期段階

カタログからは「近年やってきた路線よりも洗練度が上がっていることが見て取れる」と、1980年代半ばから2000年までカタログを含む直販事業担当重役だったシンシア・フェドゥスフィールズは言う。「時代は巡る」。

だが、ヴィクトリアズ・シークレットがかつての輝きを取り戻すには、カタログの改訂だけでは不十分だ。親会社のLブランズの株価は2015年から大きく落ち込んでいる。店舗での売上高も下落し、消費者の好みの変化や重役の退任、そして新たなライバルとの競争など問題は山積だ。

かつてはランジェリー姿で天使の羽根を背負ったスーパーモデルがハイヒールでランウェイを歩くファッションショーがテレビで放映され話題を呼んだが、そんなイメージ自体、もはや明らかに時代に逆行している印象だ。

ヴィクトリアズ・シークレットは今、長く待たれたブランドの立て直しの初期段階にある。一方で、Lブランズと同社を長年、率いてきたレスリー・ウェクスナーCEO(81)は厳しい状況に置かれている。ウェクスナーはかつて、10年以上にわたりジェフリー・エプスタインを個人アドバイザーとして雇い、資産運用や慈善事業、プライベートについてまで大きな権限を持たせていたために、世間から厳しい目を向けられているのだ。

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