アメリカ「セクシー離れ」で下着業界に大異変

ヴィクトリアズ・シークレットはもう古い?

ヴィクトリアズ・シークレットがシェアを落としている理由とは?(写真:Landon Nordeman/The New York Times)

アメリカのランジェリー・ブランドのヴィクトリアズ・シークレットでは、11月13日にCEOのジャン・シンガーが退任した。その前にも、CMO(最高マーケティング責任者)のトランスジェンダーに関する発言が批判されており、ここ数年徐々に衰退してきている同社にとってさらなる打撃となっている。

ヴィクトリアズ・シークレットのマーケティングはとにかく一貫している。11月に開かれた同社のファションショーは、1995年に開かれた最初のショーとそっくりだった。ウイングやスパンコールが少し増えたものの、やせたモデルに、胸を持ち上げるプッシュアップ・ブラ、Tバック、ストラップだらけのハイヒールが並ぶのは同じだ。

同社のセクシーさへのこだわりは揺るがない。たとえ性差別的だと批判されても、新しく誕生している多数の下着ブランドが着心地や快適さを追求しても、女性たちがヴィクトリアズ・シークレットを離れてほかのブランドに向かっていても――。

女性は下着にセクシーさを求めない

ヴィクトリアズ・シークレットは現在でもアメリカのランジェリー・ブランドとしてトップの地位にあるが、そのシェアは急速に低下している。売り上げは減少し、同社の株価は今年41%も下落した。アメリカの金融機関のウェルズ・ファーゴが2017年9月に実施した消費者調査によると、回答者の68%が、以前ほどヴィクトリアズ・シークレットを好きではないと答え、60%が同ブランドを「不自然」あるいは「見せかけだけ」などと感じていた。

シティグループの小売りアナリストで、ヴィクトリアズ・シークレットの親会社であるLブランドを分析しているポール・レフエスは、「ヴィクトリアズ・シークレットがシェアを落としているのは、現実から乖離しているからだ」と言う。「マーケティングの方法が現実から離れている。女性たちは、男性に好かれるために下着を買うセクシーなスーパーモデルのようには見られたくないと思っている」。

テレビで放映される「ヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショー」も、以前ほど見られていない。視聴者数は5年前と比べて半分近くまで落ちている。

次ページプラスサイズモデルやトランスジェンダーを怒らせた発言
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 買わない生活
  • 映画界のキーパーソンに直撃
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大乱世の思想ガイド<br>マルクスvs.ケインズ

戦後社会の信念とイデオロギーが崩れ落ちる今、危機を乗り越えるための思想が必要です。脱経済成長を旗印に支持を広げる新マルクス主義とコロナ禍で完全復活したケインズ主義を軸に、大思想家が残した知恵を学び直します。

東洋経済education×ICT