アメリカ「セクシー離れ」で下着業界に大異変

ヴィクトリアズ・シークレットはもう古い?

女性たちの中には、スタートアップ企業が作る、着心地がよく、共感できて、シンプルなスタイルの製品を買うようになった人たちもいる。そうした企業の1つにサードラブ(ThirdLove)がある。元グーグルのプロダクト・マネジャーが2014年に立ち上げた会社だ。ほかにも、質問に答えていくと自分にピッタリのブラジャーがわかる仕組みをつくったトゥルー(True & Co.)や、汗や尿が下着からしみ出してくるのを防ぐ特許技術を使っている、カナダのニックス(Knix)などがある。

女性のニーズに合わせたサイズや商品を展開

これらの企業は女性が設立したもので、業界全体への不満から生まれてきた。サードラブのハイディ・ザックCEOは、ヴィクトリアズ・シークレットの店舗でブラジャーを買うためにショッピングモールに行くのが怖かったと言う。

「店から出ると、ピンクのストライプの袋を自分のバッグの中に押し込んだ。ヴィクトリアズ・シークレットで買い物をしていることが恥ずかしかったからだ」とザックは言う。「あのブランドの美学も製品も、まったく何も私に合うものではなかった」。

この経験から、ザックはよりサイズの豊富なブラントを探し始めた。アメリカのブラジャーの平均サイズは34DDで大きくなる傾向にあるが、ヴィクトリアズ・シークレットでは30Aから40DDDまでしか販売していない。ザックはまた、拷問のように締め付けられないブラジャーも探したが見つけられなかったので、自分でブランドを立ち上げることにした。

サードラブは74種類のサイズを展開し、授乳用のブラジャーも販売する。設立から4年間で3000万ドルの資金を調達し、2016年以降は、年平均で300%の成長を続けている。同社では、さまざまな年齢やサイズ、肌の色の女性を起用した広告キャンペーンを展開しており、それはインスタグラムでも多数見られるし、ニューヨーク市の地下鉄の構内でも見ることができる。

幅広いサイズをそろえるなど女性の現実に対応することは、ニックスの事業戦略でもある。同社は漏れを防ぐ下着やワイヤーの入っていないブラなどで、熱烈なファンを獲得してきた。創設者でジョアンナ・グリフィスCEOは「人生のさまざまなステージで女性の体に何が起こるかを考えていた」と言う。「女性は当たり前の活動をしているときでも、尿漏れが起こることがある」。

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