マドンナが語った「女と加齢」の厳しい現実 授賞式で吐露した本音が話題に
ポップミュージックの世界では、今年は女性アーティストの年だった。ビヨンセ(35)は楽曲とショートフィルムを組み合わせたビジュアルアルバム「レモネード」で(またも)世間をあっと言わせた。アデル(28)のアルバム「25」は、約1年前に発表されて以降、米国だけで1000万枚以上を売り上げた。
来年2月のグラミー賞の主要部門はこの2人の一騎打ちになるとみられている。
音楽業界に居座っていることが「問題行動」
だが12月9日、「ビルボード・ウーマン・オブ・ザ・イヤー」の受賞イベントに出席したマドンナ(58)は、女性エンターテイナーたちは年を重ねるほどに順風満帆でキャリアを積み上げているとの世間のイメージに異論を唱えた。マドンナは3月に終わったコンサートツアーの興行収入が1億7000万ドルとなり、女性アーティストとしては史上最高記録を樹立している。
マドンナは受賞スピーチで、その思いを自分の言葉で語り、場内は静まりかえった。
スピーチでマドンナは、30年を超えるキャリアの中で性差別や女性蔑視、そして「繰り返されるいじめや止むことのない攻撃」にさらされてきたと語った。初めてニューヨークに移り住んだ若いころ、ビルの屋上で「ナイフをのどに突きつけられながら」強姦された話もした。この経験をマドンナが公の場で初めて話したのは2013年のことだ。
若くない女性歌手に冷たい音楽業界でがんばってきたことへの自負心も垣間見せた。「私のことを世間では問題行動ばかりだと言うけれど、私がやってきたなかで一番の問題行動といえば、(業界に)居座っていることよ」