「できる女」ほど日本ではモテない根本理由

問題は女性自身の意識にある

「できる女」は、なぜモテないのか(写真:tomos / PIXTA)
「できる男はモテる」が、「できる女はモテる」とはならない。この非対称の裏にあるものとは。『モテる構造 男と女の社会学』を書いた山田昌弘氏に聞いた。

性別規範は男女非対称にできている

──「できる女はモテない」のですか。

できるからモテないわけではなくて、できるとモテるとは女性には関係ない。男性だけに関係している。この構造が近代社会の基本にあって、日本では今に至っても変化は見られない。欧米では、できない男性でもモテたりして多少変わってきてはいるが。

──関係ないとは。

男性にとっても女性にとっても、できるとモテるがイコールではないようにしようというのがフェミニズムの目指したものだ。だが、日本ではなかなか女性の意識が変わらない。つまり、できる男性、仕事の能力の高い男性を好きになるという意識が変わらず女性のほうにあるため、社会的に性別役割分業も変わらないという大きな根拠になっている。こう述べると学界で女性学者からよく怒られるが。

──社会を観察すればそうだと。

構造的に、できる女性は性別役割を両方やらなければならないから大変だということになる。たとえば、できる女性は家事をしなければならないのに、できる男性は家事をしなくてもいいのは不当だ、と。それは実は、できる男性を選ぶ女性が多いからそうなってしまうのだ。できる、モテるに関係なく相手が選ばれるのが、この問題の解決策かというと、今度はまた別の形でそれぞれに生きづらさが起こってくる。生きづらさがなくなるわけでもない。

今の日本社会においてこの「できる男はモテる」という構造があるかぎり、できない男性はなかなかモテなくなって、生きづらさがそちらの男性に集中し、女性は女性で、できる女性が大変になって、また生きづらさが集中している。

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