マドンナが語った「女と加齢」の厳しい現実 授賞式で吐露した本音が話題に
音楽業界では「年を取ることは罪」だとマドンナは言った。
「(年を取れば)批判され、悪く言われ、絶対にラジオで曲を流してもらえなくなる」ともマドンナは述べた。
実のところ、今回のスピーチの内容はマドンナの発言としては別段目新しくはない。マドンナはキャリアの初めから、音楽やイメージ、著作を通して性的規範に挑戦し続けてきた。マドンナを時に支持し、時に批判してきた評論家のカミール・パーリアが1990年に書いたような「じゅうぶんに女性的であり性的でありながら、自分の人生を完全に自分でコントロールする若い女性」であろうとしてきたわけだ。
驚くほどストレートなスピーチ
マドンナはつねにはっきりものを言う人間だ。近年、彼女は年齢による差別と戦う闘士のような存在になっているし、年を取ればマドンナもおとなしくなるはずだという見方に対してもあからさまに反発していた。
だが9日のスピーチはそのマドンナにしても驚くほどにストレートなものだった。折りしも米国では、男女平等や潜在的な性的な偏見をめぐる問題が国民的な議論となっていた。大統領選が男性候補と女性候補の一騎打ちとなり、こうした問題における「国民投票」の様相も呈する中で、議論はさらに感情的なものになっていた。
マドンナ自身は大統領選の投票日前夜、ニューヨークのワシントンスクエアパークで予告なしのコンサートを開き、ヒラリー・クリントン候補への支持を表明していた。
授賞式でマドンナは、大統領選の結果にもそれとなく触れた。「女性はあまりにも長い間抑圧されてきて、男性が女性について言わなければならないことをそのまま信じ込んでしまう。(大統領という)職務をきちんと遂行させるためには男性を支援しなければならないと思い込んでいる」