アメリカ「セクシー離れ」で下着業界に大異変 ヴィクトリアズ・シークレットはもう古い?

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シンガーが辞任したのに続き、同グループのアスレジャー・ブランド「ピンク」のCEOを務めるデニス・ランドマンも、今年いっぱいで退任することになった(両CEOとも、Lブランズのレスリー・ウェクスナー会長兼CEOの直属の部下にあたる)。

Lブランズのエド・ラゼックCMOも、11月に世間を騒がせた。『ヴォーグ』誌とのインタビューで、ヴィクトリアズ・シークレットのショーでは、プラスサイズのモデルも、トランスジェンダーのモデルも起用する考えがないことを示したのだ。

「ケンカを売るなら受けて立つ」

「なぜ大きなサイズや小さなサイズのモデルを起用しないかって? トランスジェンダーのモデルを起用すべきじゃないかって? いやいや、そうする必要はないと思う。なぜなら、わたしたちのショーはファンタジーだから。42分間の特別なエンターテインメントだから」

ニューヨークで行われたヴィクシーショーのバックステージでポーズをきめる、ヴィクシーエンジェルやヴィクシーモデルたち(写真:Landon Nordeman/The New York Times)

このコメントに対して、ソーシャルメディアではすぐに怒りの反応が起こった。ラゼックは翌日、彼のコメントが「無神経であると受け取られた」と振り返り、「トランスジェンダーのモデルももちろん起用する」と述べた。

それでも怒りは消えなかった。モデルでトランスジェンダーのテディ・クインリヴァンは、インスタグラムで「私のヴィクトリアズ・シークレットへのメッセージは、『ケンカを売るなら受けて立つ』だ」とコメントした。プラスサイズのモデル、テス・ホリデイは「別に誰もVS(ヴィクトリアズ・シークレット)を欲しがっていないんじゃない?」とツイートした。

39歳のサラ・リン・ミッチェナーは、10年ほど前にヴィクトリアズ・シークレットで買い物をするのをやめた。いかにも経験の浅そうな店員と、あふれんばかりのピンクがイヤになったのだという。いまではブラジャーはオンラインで買うか、百貨店のノードストロームで買っている。ヴィクトリアズ・シークレットの店舗のような、性的なイメージを感じさせない店を選んでいるのだ。

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