M&M's「キャラクター活動休止」になった深いワケ 若者にアピールするはずが、猛批判を受けて…

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M&Mキャラクター
ヒールブーツを履いていたグリーンのキャラクターは、リブランディングによって「セクシー」路線から方向転換をした(写真:AP Photo/Ted Shaffrey)

チョコレートのM&M'sは先日、同社のスポークスパーソンを務めていたキャラクターを「無期限活動休止」にし、代わりに女優のマヤ・ルドルフが後方担当になると発表をしたが、実際にはキャラクターたちがいなくなるわけではない。

「安心ししてほしい。このキャラクターは当社の長期的な公式スポークスキャラクターだ」と、同社の担当者はメールでこう書いている。現地時間2月12日開催のプロアメリカンフットボールの優勝決定戦「スーパーボウル」の前に、「M&M'sを象徴的するキャラクターは目下、ほかの情熱を追求するために時間を使っている」が、試合中に放映されるコマーシャルでこの問題は解決し、「キャラクターをブランドの中心であるべきところに戻す」としている。

ここ1年、M&M'sが人々に強い感情を呼び起こすことが明らかになった。チョコレートをキャンディーでコーティングしたM&M'sは、「キャラメルコールドブリュー」など新しいフレーバーを発表してきたが、基本的には大きく変わっていない。が、マーケティング面では議論を巻き起こしており、特にFOXニュースの司会者、タッカー・カールソンは嫌悪感を露わにし、毎晩の番組でM&M'sを馬鹿にしてきた。

キャラクターを「リブランディング」

この「キャンディーゲート事件」の最前線を理解するにはまず、M&M'sがインクルーシブを考慮してキャラクターたちをリブランディングした2022年1月にさかのぼる必要がある。オレンジのM&M'sは不安障害を受け入れ(Z世代へのアピールを強化するための努力だと同社は当時述べていた)、以前は「セクシー」だったグリーンのM&M'sはハイヒールブーツをセンスのいいスニーカーに履き替えた。

ネットでの反響は圧倒的だった。エロティックなグリーンM&M'sの世界しか知らないミレニアル世代やZ世代たちは、冗談交じりに、このキャラクターを肉感的な姿に戻すよう会社に要求したのである。まもなく一連のやりとりは文化論争へと発展した。FOXのカールソンは自らの番組で「ようやく進展:質素で時代遅れなM&M」「私たちには惨めなノンバイナリーなお菓子がふさわしい」と題して、キャラクターのリブランディングに関するコーナーをもうけた。

カールソンは、「M&M'sは、すべてのキャラクターが魅力を失い、完全にアンドロジナスになるまで満足しないのだろう」とコメントした。

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