中国のエネルギー政策を所管する中国国家能源局は1月18日、2022年の中国の電力消費状況を発表した。それによれば、同年の総電力消費量は前年比3.6%増の8兆6000億kWh(キロワット時)にとどまり、伸び率が前年より6.7ポイント低下した。
電力消費量の前年比伸び率は、新型コロナウイルスが中国で最初に大流行した2020年に3.1%に落ち込んだ後、コロナの流行を抑え込んだ2021年は10.7%に回復していた。2022年は再びコロナの感染が拡大したため、中国電力企業聯合会は同年の伸び率を5~6%と予想していた。しかし、実績はそれを下回ってしまった。
2022年の電力消費量を四半期別に見ると、1~3月期は前年同期比5%増加したが、新型コロナの感染拡大で上海市などがロックダウン(都市封鎖)に追い込まれた4~6月期は同0.8%しか増加しなかった。そして7~9月期に同6.1%の増加に回復した後、感染拡大が全国に波及した10~12月期は同0.16%の増加に急失速した。
実体経済と高い相関
電力消費量の動きは経済活動との相関度が高く、実体経済のバロメーターと呼ばれる。2022年は(新型コロナの影響で)景気が大きく揺れ動き、国内総生産(GDP)の成長率は1~3月期が4.8%、4~6月期が0.4%、7~9月期が3.9%、10~12月期が2.9%だった。これは上述の電力消費量の動きとおおむね一致する。
セクター別に見ると、2022年の電力消費量の伸び率は第2次産業が最も低く、前年比1.2%の増加にとどまった。一方、伸び率が最も高かったのは家庭の電力消費で、同13.8%増加した。なお、第1次産業の伸び率は同10.4%、第3次産業は同4.4%だった。
第2次産業は工業用の電力消費が大きく、総電力消費量に占める比率が6割を超える。しかし2022年は(新型コロナの影響による工場の操業停止や、景気の悪化に伴う稼働率低下が響いて)前年比の伸び率が7.9ポイントも落ち込み、電力消費全体の拡大の重石になった。
(財新記者:趙煊、沈哲琳)
※原文の配信は1月18日
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