中学受験の成否を分ける「自走できる子」の家庭 親の管理で合格しても子は自己肯定感を持てない

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長谷川さんは「自走モード」になる4条件として①計算力②国語力(読解力)③体④習慣を挙げている。この4つがそろった時、自然と「自走モード」へ向かっていくという。入塾する小4までに基本的な計算力や国語力を身につけておくことが前提だが、中でも長谷川さんは「習慣」を重視している。

「自分から宿題を済ませる習慣さえついていれば大丈夫だと思います。逆に言うと、ほとんどの子がやりません。いきなり本人に任せると本当にやらなくなる子が多いので、徐々に親の手を離すようにしましょう。様子を見て、自分でやらないようならまた一緒にやってあげる。大変ですがこれはやらなければいけません。しかし5年生までに習慣がつかなかった子は、今度は逆に手を離してはいけません。親が横に座ってあげるだけでも子どもは安心しますから、勉強をサポートしてあげてください」

また「体」に関しては、「普段の飲み物を水か、薄いお茶にする」ことを推奨している。

成績が伸び悩む子に、甘いジュースが好きな子がなぜか多い。甘いジュースは集中力が落ちます。僕の実感として、優秀な子が普段飲んでいるのが水か、水に近い薄いお茶であることが多かったんです。万病を防ぐという意味でも普段飲むのは水の方がいいと思います」

また環境の点では、「合格」や格言を書いた紙や学習ポスターなどは全て撤去し、勉強中に視界に何も入ってこないのが理想だという。

壁にベタベタ何か貼ってある家庭は大抵うまくいっていません。子どもが自分で貼っているならいいですが、大抵はお母さんがやっているだけのことが多いです。『合格』と紙に書いて強く願うのは、それで心が満足して努力しなくなってしまうので逆に危険だと思います」

性格に合わせて関わり方は変えるべき

我が子を「自走モード」へ導くためには、子どもの性格タイプ別に接し方を変えることがポイントだという。

「大抵の親御さんは自分がやってよかったことや、自分が気持ちいいと思えることをそのまま子どもに当てはめてしまいます。でも僕が見る限り、親と子や、兄弟は大抵違うタイプに産まれてくることが多い。子どもは自分とは違うタイプだと思っていた方がいいでしょう」

長谷川さんは著書で、子どものタイプを「他人の目を気にするタイプ/周りが見えない」「子どもっぽい(感情的)/大人びている(論理的)」という2つの軸を掛け合わせ、大きく次の4つのタイプに分類している。

①「おませ」タイプ ②「委員長」タイプ ③「かたぶつ」タイプ ④「ぼっちゃん」タイプ

「皆さんあまりにも画一的な教育をされているので、せめて4タイプに分けて『うちの子はこのタイプかな』と考えながらお子さんを見てもらえたらと思って提唱しています。

例えば、おませタイプの子は他人の評価を気にするので成功体験を早めに積ませたり、安心感を与えてあげるのが大事。かたぶつタイプの子は視野が狭く他人の意見を聞かない傾向があるので、理知的に諭す必要があります。また、このタイプは親が約束を破ると激怒して信頼を失うので気を付けた方がいいでしょう。佐藤ママさんの素晴らしいところはお子さんのタイプの見極め方にあり、4人の個性を理解したうえで対応されているのがすごいと思います」

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