LINE新社長が描く「生態系構想」の未来図 4月1日に新体制発足、LINEはどう変わる?
――今も上場は目指しているのか。
状況は去年から変わっていない。どこかのタイミングで資金ニーズが出てくるかもしれないし、IPO(株式新規上場)は選択肢の1つとして可能性を残している。
でも、今の段階でどうするとか、いつ(上場するのか)とか、何もかも白紙。世の中の流れもあるし、LINE自体の収益の力もある。
――LINEが抱えている経営課題とは?
LINEを次のステージに引き上げるのが新経営体制の役割。1つ目は、海外のユーザーをもっと増やし、トップシェアの国を増やしていくこと。2つ目は、「ライフ」をテーマにプラットフォーム化を進めている。日本ではかなりの皆様にLINEを使ってもらっているが、それと同じようなイメージで生活が便利で楽しさが増すような、日常に踏み込んだサービスを浸透させたい。
LINEのつながりを軸にした生態系
――昨年末からモバイル決済サービス「LINE Pay」やタクシー配車アプリ「LINE TAXI」、ECサービス「LINE WOW」など、新サービスを矢継ぎ早に立ち上げている。
今までネットが浸透していなかった世の中の事象に対し、何らかの提案をしていきたい。すべてはコミュニケーションを軸にして、プラスアルファの価値提供を考えている。
たとえばペイメントの送金機能の場合、見ず知らずの友達には送金しない。田舎の親にカネをせびられるとか、父親に小遣いをねだるとか、あるいは親しい友達と飲み会に行って立て替えてもらって明日返すとか、親しい人間関係の世界はLINEとすごくマッチする。
カジュアルゲームの場合も、今まではネット上のIDナントカさんと戦っていたのが、同僚の誰かとわかったうえで競ったり、メッセージを送り合って協力プレイができる。LINEの人間関係を生かすことで、今までのゲームにないことができるようになった。
――決済を軸に据えて、LINE経済圏を作りたい?
経済圏というと語弊があるが、全体構想としてはそうだ。LINEのコミュニケーションを軸にした、ペイメントを含めた生態系。LINEは人々のつながりが非常にコアな価値だと思っており、ペイメントはビジネス的な取引を通じた、もう1つの大きな交流サイトになる。
個別のサービス1つ1つよりも、ペイメントや提携サイトの決済など、流通総額の絶対額が問題になる。これはプラットフォームとして次のステージに上がるための重要な戦略で、今年1年で成長の手応えをしっかりつかみたい。
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