LINE新社長が描く「生態系構想」の未来図 4月1日に新体制発足、LINEはどう変わる?

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――海外のユーザーをどうやって増やすのか。

米国企業が開発するサービスでは、1つの価値観でグローバルスタンダードにしようとする考え方もある。でも、われわれのアプローチとしては、国ごとに丁寧にローカライズしていく。メッセージアプリは非常に生活に密着しているので、現地のカルチャーや流行に大きく寄り添うことが重要だ。

スタンプのキャラクターも、南米だと男性はマッチョな「ムーン」だったり、現地のセレブリティーや有名企業とコラボレーションをやっている。欧米ではキャラクターのスタンプよりも自分の写真を使いたいニーズがあるので、アプリを起動して写真を撮ると周りの絵と一緒にスタンプになるアプリも最近リリースした。

こういうサービスは、あるきっかけを起点に爆発的に流行ったりする。当初は日本でもトップシェアではなかったし、タイ、台湾もそうだった。必勝パターンがあるわけではないが、間違いなくいえるのは、あるきっかけをトリガーとして爆発的に広まるということだ。

――新サービスと海外展開を同時に進めるうえで、社内のリソースは足りているのか。

手が回らないかというと、回らないかな(笑)。現状で社員数はグローバルで2000人を超えており、半分が海外スタッフだ。

われわれはよくも悪くも10人のベンチャーとかスタートアップから始まったのではなく、数百人の会社でサービスを立ち上げた。そういう意味では、早いスピードで国内の事業展開ができたし、海外も進んでいる。経験豊富なメンバーもいるので、欲をいえばキリがない。

親会社からは信頼して任されている

――親会社である韓国ネイバーにとって、LINEは伸び盛りの子会社。連携や意志決定プロセスに変化はあるか。

そこは是々非々という感じ。たとえばプロジェクトを進める中で、モノによっては一緒にやることもある。意志決定で親会社を通すのは、資本政策くらい。親会社と相談しながら調整することもあるが、一般的な事業展開についてはLINEコーポレーションで意志決定している。そこは信頼して任せてもらっており、以前から変わらない。

――事業はすべてLINEに任されている。

そうだ。取締役会のメンバーには親会社の創業者ももちろん入っており、信頼して応援していただいている。ネイバーは、2000年代前半から中国、北米、日本と海外展開を進める中で多くの失敗を経験している。その中で彼らが得た教訓や哲学は、現地のビジネスは現地でやらないとうまくいかないということ。一般的にイメージされる親会社とは違う。

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