LINE新社長が描く「生態系構想」の未来図 4月1日に新体制発足、LINEはどう変わる?

昨年10月に開かれた事業戦略イベントでの出澤新社長(左から2人目)と森川前社長(同3人目)。この時すでに、出澤氏には社長交代が告げられていた(撮影:尾形文繁)
突然の社長交代発表から3カ月あまり――。コミュニケーションアプリ「LINE」を運営するLINEは、4月1日付で社長交代を行った。森川亮氏の後任として新社長に就任した出澤剛氏は、さらなるユーザー数の拡大とサービス領域の拡大を掲げる。
だが、出澤新体制の眼前には、いくつかの課題が横たわる。世界の月間利用者数(MAU)は約1.8億人まで拡大したが、競合の米WhatsApp(ワッツアップ)や中国WeChat(ウィーチャット)のMAUはLINEを凌駕している。また、3月には通信内容が漏洩しうる脆弱性が見つかるなど、セキュリティ面の不安も少なくない。
体制刷新でLINEはどう変わっていくのか。出澤新社長に今後の舵取りについて聞いた。
1年前から現場を任されていた
――社長に就任して、仕事内容はどう変わるのか。
2014年1月にCOO(最高執行責任者)に就任し、4月からは代表取締役COOとして実質的な経営を見てきた。森川(亮・前社長)も「現場は任せた」という感じで、1年前から今の体制でやってきた。だから、大きな体制変更も方針転換もない。
普通に現場に席もあり、統括している事業のメンバーからは早く出て行ってくれと思われているかもしれないが(笑)。社長室に移らないかもしれないし、その辺はまだわからない。
――実際に社長交代の話があった時期は?
昨年4月の段階で経営を見てはどうかと言われていたので、何となく雰囲気はあった。明確に森川から話があったのは9月頃だ。
――9月は上場を見送ったタイミングだ。
いろいろな要素があると思う。以前から森川はわれわれに対し、いいタイミングで経営を含めて引き継ぐタイミングについて話していた。森川は若い頃から、インディーズのアーティストの週末画廊を企画したり、若者応援みたいなことをやりたいと言っていた。自分で起業したいと折に触れて話はあった。
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