「『制度が悪いから、返せないんだ!』と責任転嫁するつもりはなく、借りたものは当然返すべきだと思っています。
ただ、返す意思があるのに、所得制限や月々の返済額など、返還のルールが固まっていて、臨機応変に返せないという現状には納得できません」
そう語るのは、妻の出産のための医療費の捻出を優先するあまり、学生時代に借りていた1200万円の奨学金の返済を滞納してしまった吉崎さん。奨学金返済で滞納してしまったことで、JASSOから一括で1250万円(延滞金等を含む)の返還を求められた(ことの詳細は前回の記事を参照)。
職員によって知識レベルが大きく異なっている
現在、大手プラントエンジニアリング企業に勤め、現在の年収は1200万円程度だという吉崎さん。しかし、前述したように出産にかかる費用を優先させ、奨学金の返済を後回しにしたことで、JASSOとは裁判にまで発展している。
結局、JASSOとの裁判からは逃れられなかったわけだが、ただ裁判といっても、基本的には和解措置が取られる。
その対応はJASSOの法務部に移管されるため、ようやくまともな指南を受けられるようになった。現在は和解が成立したことで、毎月5万3000円を返還中である。
「ここで初めて、話が通じる人たちに出会えたと感じました。制度について理解していて、質問をすると的確な回答をくれる。実は以前、別の職員から、間違ったことを教えられたことがあるんです」
どういうことか。話は和解前、裁判を回避しようと動いていた時期に遡る。
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