「奨学金1200万円」の36歳、JASSOとの裁判の結末 奨学金を返したいのに返せない人が生まれる訳

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「同期や後輩たちが『豊洲のタワーマンションを買う』とか『不動産投資するぞ』と、景気のいいことを言ったり、実際に1億5000万円も投資してマンションを3部屋も借りたりしている一方で、自分はどこのローンにも通らない……。

同じ会社にいるのに『出だしでコケてしまうと、ここまで差がついてしまうのか』という気分にはなりますよね。もしかしたら、『どうして、吉崎くんはいつまでも賃貸に住んでいるの?』と、思われているのかもしれません」

自身の選択には納得も、下の世代のために改善を望む

せっかく、高収入を得ることができたにもかかわらず、奨学金の返済は終わらない……。裁判になったことで、大学進学を後悔したこともあったが、それでも今はその選択に納得している。

「大学へ行かず、高額な借金を負わず身軽な暮らしをしていたほうが幸せだったかもしれないと思う日もあります。ただ、一方で奨学金を借りられたことによって、今の生活がある。そのため、奨学金制度にはとても感謝しています。

借りられていなければ、大学には入れたとしても、父のこと(詳細は前記事を参照)もあって中退していたでしょう。高卒に近い状態で就職活動をして、現在の年齢になっても結婚はおろか、子どももいない生活になったと思います。子どものいない生活を想像すると、『そうならなかっただけでもよかったよな』って」

とは言え、もし制度がもう少し柔軟であれば……という気持ちが拭えないのも事実だ。

「自分の場合は裁判もありましたが、今の所得でようやく無理なく毎月5万3000円を返せています。返済に関して、読みが甘かったということを痛感しています。返済額は大学生のうちから計算できるので、『これからもらう初任給ではどのようなキャッシュフローになるのか?』としっかりと考えるべきでした。

ただ、人生ではどんな不測の事態が起きるかわかりません。だからこそ、社会人になってから常に一定の金額を返していくのではなく、収入に見合った額からスタートさせて、徐々に増やしていったりできる柔軟性があったほうがいいとは思います。

誰だって初任給は安いですし、将来年収がいくらになるかなんて、借りる時点ではわかりません。だからこそ、JASSOは型にハマった対応ではなく、もっと返しやすいように、制度を整えていってほしいと思うんです。

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