なぜ今、世界のトップエリートは哲学を学ぶのか 起業家が学び、グーグルが哲学者を雇う理由
哲学とビジネス。一見無関係に思える2つだが、企業が新規事業や新技術に乗り出す時に哲学者が参加したり、グーグルのように企業内哲学者や、最高倫理責任者を置く企業は増えてきている。また、ペイパル創業者の1人で投資家のピーター・ティールは大学時代スタンフォードで哲学を専攻し、学んでいたことで知られている。
「世界最高の知の巨人たちが考えた思考の型が1フレーズですっきりわかる」をコンセプトに執筆された『哲学100の基本』を上梓した岡本裕一朗氏が、なぜ今、哲学が求められているのか、について多角的な視点から語る。
なぜ今、哲学が求められているのか?
哲学の話を始めようとすると、かならず質問されることがあります。正確には、詰問といったほうが適切かもしれません。
それは、「哲学って、いったい何の役に立つのか!?」という問いです。
じつを言えば、この問いは、今に始まったことではなく、哲学の始祖とされるタレスの頃から人口に膾炙していたようです。とすれば、「哲学とは、『何の役に立つのか』という問いがさし向けられる活動である」と言えるかもしれません。
たしかに、哲学は一見した印象からすると、生活の役に立ちそうには思えません(そのため、「哲学は役に立ちますよ!」という表現は、あまり信用できません)。
だとすれば、どうして「哲学」は求められるのでしょうか。もしまったく何の役にも立たないのであれば、とっくに消えてしまっていたはずです。
そこで、「哲学」のはじまりに立ちかえって、考えてみることにしましょう。
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