誰からも愛されるリーダーなどいない
「リーダーはなんでもできるすごい人であるべきだ。そうでなければいけない」
言葉にはしなくとも、心の底でそう思い込んでしまう人は少なくありません。
とくに情報が発達し、いろんなすごいリーダーたちを目にすることが増えたいま、その人たちのように、自分も完璧でなければいけないと思い込んでしまうリーダーたちが増えているのは事実です。
すべての仕事で成果を出す完璧な上司。
たくさん給料を稼いでくれて、土日は家族のためにすべての時間を使う親。
聞いたことになんでも答えることができる先生。
そんな立派な人になる必要はないと断言します。
かえってそういう完全無欠なリーダーは、下の人のポテンシャルを潰してしまうことも少なくありませんし、彼らの自己重要感を下げてしまうことも往々にしてあります。
もう1つリーダーを苦しめる思い込みがあります。
それは「すべての部下に愛されなければいけない」というものです。
どんなに部下のことを大切に思おうと、どんなに温かい言葉をかけようと、人にはそれぞれの好みというものがあります。
そもそも誰からも好かれるという、お釈迦様でもキリストでもできなかったことに自ら挑戦し、心をすり減らす必要はありません。
「完璧でなければいけない、愛されなければいけない」という理想を求めすぎるがゆえに、例えば自分がミスをしたときに、なんとか隠そうとしたり、言い訳をして取り繕おうとすることは、かえってリーダーとしての人望を失ってしまいます。
間違えたときは素直に「ごめん」と謝ればいいですし、嫌われたら「ありゃ、残念」くらいの気持ちでいいのです。
謝ることは自分を否定することではありません。
逆に器を示すことだってあります。
それに
「リーダーも間違えるんだ」
「リーダーでも嫌われることがあるんだ」
という人間的な部分を見せることで、部下の心にはゆとりができます。
上の立場の人に欠けているところがあるからこそ、下の人の出番が生まれるのです。
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