2022年11月は世界的な「外交」の月となりました。タイではAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議、インドネシアではG20(20カ国・地域)首脳会議、エジプトでは国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開催され、新型コロナの影響で途絶えていた「対面での首脳会議」もさまざまな場面で行われました。
岸田文雄首相も、APEC首脳会議、G20サミットに参加し、アメリカのバイデン大統領との会談の他、習近平国家主席との日中首脳会談も3年ぶりに開催されました。しかし、いずれの会議・会談でも、大きな成果は見えず、国際社会における日本の存在感の希薄さを再認識させられました。この背景には何があるのでしょうか。
国際社会での発言力の裏付けとは
国際社会において、各国は基本的に平等です。国連の「一国一票制度」がそれを象徴しています。しかし、実際には、発言力の大きな国があり、そのような国は、他国が一目置く「強み」を持っています。最も発言力が大きいのが、世界最大・最強の経済・軍事大国であるアメリカです。
中国も成長余力のある巨大な自国市場を武器に発言力を高めています。
EU(欧州連合)は、英国離脱に加え、ウクライナ情勢対応や対中戦略でも一枚岩になりきれず、頼みの「結束力」に陰りが見えますが、侮れないのが、気候変動や人権、国際会計・税制などに関する「国際的なルール作り」への影響力です。
軍事力や経済力のようにわかりやすいものではありませんが、国際社会において、この力は非常に重要です。
その他、東南アジア諸国などの新興国は、経済規模は小さいですが、成長性、潜在力をてこに存在感を高めています。オーストラリアや中東産油国は、資源やエネルギー供給国としてのポジションを大きな武器にしています。
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