野球選手を沖縄から「遠隔スカウト」の凄い仕組み 未来を志向するジャパンウィンターリーグ

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ジャパンウィンターリーグの試合の様子(写真:筆者撮影)

沖縄で発足する新たな『野球・冬リーグ』の可能性」で紹介したジャパンウィンターリーグが沖縄で始まった。高校、大学、社会人、独立リーグなどでプレーする選手が集まって、約1カ月、22試合を戦う。それだけでなく、さまざまな新しい試みも盛り込んで、かつてない大会になっている。

ジャパンウィンターリーグは次のステージに進みたい選手のトライアウトリーグだ。球場にはNPBのスカウトやMLB、独立リーグ、社会人の関係者の姿も見える。

選手データを配信して「遠隔スカウト」

このリーグでは、YouTubeで試合動画を配信するとともに、投球や打球の軌道を計測するラプソードなどの先進機器を使用して、選手のパーソナルデータをオンタイムで配信している。「リモートスカウティング」が大きな「売り」になっているのだ。

プルダウンによる測定(撮影:筆者)

開幕前には、会場のアトムホームスタジアム宜野湾(宜野湾市立野球場)に集まった選手の身体測定や、プルダウン(助走をつけてネットに投げ込み球速を測定)、垂直跳びなどのデータ計測が行われた。

またラプソードや、バットの軌道をデータ化する「ブラストモーション」による打球、投球の球速、回転数なども計測した。データは、公式サイトの選手の欄に反映される。トヨタ自動車の坂巻尚哉はプルダウンで161㎞/hという数字を出して周囲を驚かせた。

試合動画には、投球速度、回転数、打球速度などのデータも表示されている。もちろん、スカウティングはデータだけではできないが、少なくとも選手のポテンシャルはリモートでも確認することができる。

これまでの日本のトライアウトは、1日だけで、投手、打者ともに数人の相手と対戦するだけ。ありていに言えば「すでに下交渉が終わっている選手の最終チェック」の場にすぎなかった。

今回のトライアウトは、投手は少なくとも10イニング、打者は30打席程度を与えられて、パフォーマンスを競うことができる。アメリカではこうしたトライアウトリーグは頻繁に行われているが、日本では初めてだ。

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