「GDPの上昇」を追い求め続ける人類の悲惨な末路 私たちが目指すべき「永遠なる成長」以外の道

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ニュージーランドはわたしたちに手本を見せてくれたのかもしれない。ほかの国々での調査に示されているように、世界じゅうの人々が今、自国の政府に対し、利益のみの追求よりも、人と地球を大事にするよう強く求めている。

これは世界じゅうの有権者や消費者が持続可能な世界、ひいてはケイト・ラワースが言う成長にこだわらない世界を望んでいることの表れだろう。
どの国もこれからはいかに繁栄を遂げるかに加え、いかに自国の人々を大切にするか、いかに地球を大切にするかが問われるようになる。

成長から持続可能へ

これまで持続可能ではない成長の恩恵を受けてきた富裕国は、国民の高い生活水準を維持しながら、フットプリントを大幅に減らすという難題に取り組まなくてはならない。貧困国の課題は富裕国とは大きく異なる。

それは先例のない仕方で国民の生活水準を大幅に引き上げると同時に、持続可能なフットプリントを達成するという課題だ。このような観点から見るなら、今やあらゆる国が発展途上国だと言える。

すべての国が今後、グリーン成長に切り替えて、サステナビリティ革命に加わらなくてはならないだろう。

人類はまだ成熟に達していない。空いた土地をわがものにしようと狙っているアマゾンの若木のように、わたしたちは成長に全力を注いでいる。

しかし環境経済学によれば、もう成長への情熱は抑えて、資源をもっと公平に分配し、林冠を支える成熟した木として生きる準備を始めなくてはならないという。そうすることで初めて、急速な成長によって獲得した日光を浴びることができ、ひいては長く続く有意義な生活を楽しめるようになる。

(翻訳:黒輪篤嗣)

デイヴィッド・アッテンボロー 自然史ドキュメンタリー制作者

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David Attenborough

英国を代表する自然史ドキュメンタリーの制作者。BBCの画期的なシリーズを世に送り出し、世界的な自然史ドキュメンタリーの作り手として確固たる名声を博した。代表作に《地球の生きものたち(Life on Earth)》(1979年)、《ライフ・オブ・バーズ/鳥の世界(The Life of Birds)》(1998年)、《ブルー・プラネット(The Blue Planet)》(2001年)、《アッテンボローのほ乳類 大自然の物語(The Life of Mammals)》(2002年)、《プラネットアース(Planet Earth)》(2006年)などがある。

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