最初は、18世紀に水力の登場があった。水力で機械を動かせるようになり、生産性が飛躍的に高まった。
次に、化石燃料と蒸気動力が導入され、製造業に産業革命が起こっただけでなく、人や物を世界じゅうに迅速に運べる鉄道や海運、のちには航空が広まった。
その後も3つの波が続いた。電気通信をもたらした20世紀初頭の電化と、西洋の消費ブームを牽引した1950年代の宇宙時代と、インターネットを普及させ、家庭に数多くのスマート機器をあふれさせたデジタル革命だ。これらの波によって、世界は根底から変わり、経済は活況を呈した。
そして今、「サステナビリティ(持続可能性)革命」という第6の革命が到来しようとしていると、環境経済学の研究者の多くは期待している。その新しい秩序では、イノベーターや起業家たちが地球環境への負荷を減らす物やサービスを考え出すことで、財を成すだろう。
言うまでもなく、わたしたちはすでにその先駆けを目にしている。省エネの照明も、安価な太陽光発電も、本物の肉の味がする植物肉も、持続可能な投資もそうだ。
定常期への移行は可能か?
政治家やビジネスリーダーたちには、「大衰退」の規模と緊急性と向き合って、地球環境を破壊する産業への補助をやめ、ただちに、少なくともしばらくは成長を続けられる妥当な選択肢として、持続可能性のほうへ舵を切ることが望まれている。
しかし最終的には、グリーン成長もやはり成長だ。人類は果たして成長から成熟の段階へと進み、定常期に入ることができるのだろうか。イノベーションの第6の波のあとにはアマゾンのようになれるのだろうか。長期にわたって、同じ大きさのまま、持続可能な形で繁栄と洗練と向上を続けられるようになるのだろうか。
人類がやがて成長への依存を克服して、GDP至上主義を脱却し、3Pのすべてが含まれた新しい持続可能な成功の基準に従うようになるという未来を構想している人々もいる。
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