「魚が獲れない日本」と豊漁ノルウェーの決定的差 漁業先進国では「大漁」を目指さない合理的理由
筆者の記事『「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実」』に対して、大きな反響が寄せられました。日本は「漁業大国」という旧来のイメージが頭の中にあり、現在の漁獲量の激減ぶりをはじめて知ったという人が少なくないようです。
改めて日本と世界の漁獲量推移を比較したグラフを確認しましょう。世界では漁獲量の増加が進んできた時期に、日本では1200万トンから400万トンへと逆に3分1に激減しています。
日本の漁獲量の減少の仕方は、世界でも類を見ない異常な状態です。この現実を知って行動を起こさないと、国は動きにくく、成長を続ける世界の漁業・水産業とは対照的に衰退が止まりません。
魚が減った原因を「乱獲」と認められない国
北欧・北米・オセアニア(以下、漁業先進国)をはじめ、漁業で成長をとげる国々は、科学的根拠に基づく水産資源管理をしていることが共通しています。水産物輸出で世界第2位、水産業で大きな成長を続けるノルウェーをはじめ、漁獲量減少の原因を「乱獲」と認めて資源管理に大きく舵を取った国々があります。
一方、わが国では、漁業者に任せる自主管理が主体です。さらに、魚が減っていく主な理由を「乱獲」と認めない傾向にあります。「よくわかりません」ではなく、もしわからないのであれば、FAO(国連食糧農業機関)の行動規範にあるように、予防的アプローチをすることが必要です。
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