「魚が獲れない日本」と豊漁ノルウェーの決定的差 漁業先進国では「大漁」を目指さない合理的理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

他の漁業者が水揚げしているからといって、すぐに漁場に向かうということはしません。それは、水揚げが集中すれば魚価が下がるからです。

漁業者は、どの漁業でどのくらいの大きさの魚が何トン獲れたかをネット上で公開します。そしてバイヤーである冷凍加工業者はその中身を見て入札します。ネットに公開する情報の内容に駆け引きはありません。

漁業先進国の漁獲枠は、譲渡可能であったり(ITQ・ニュージーランドなど)、漁船ごとであったり(IVQ・ノルウェー)など国によって運用は異なります。しかしながら、大漁祈願をして価値が低い小さな魚まで一網打尽にする漁業は行っていないという点で一致しています。

自分が漁業先進国の漁業者であったとしたらどうでしょうか。貴重な枠で少しでも水揚げ金額を増やすことに腐心し、価値の低い魚は獲るのを避けるのではないのでしょうか?

魚のサステナビリティに無関心な日本人

消費者の意識も日本は進んでいるとは言えません。フランスの調査会社「イプソス」が28カ国の人々を対象に実施した調査が、日本人がいかに魚のサステナビリティに無関心であるかを浮き彫りにしています。

(出所)Global Advisor Sustainable Fishing Report(IPSOS)
次ページ段トツに低い日本のサステナビリティ意識
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事