普段はそれほど頭がかゆくないという人でも、季節によっては頭のかゆみが出やすいということもあるかもしれない。
大塚医師によると、春はスギ花粉、秋もブタクサ花粉などの花粉症で目のまわりはかゆくなりやすいが、頭皮のかゆみの訴えは多くないという。頭皮のかゆみが出やすいのは空気が乾燥する冬や、暑さで汗をかきやすい夏だ。それぞれ、どう対処したらいいのだろうか。
「冬は頭皮が乾燥しないように、髪の洗いすぎは避けて1日1回までにしましょう。乾燥肌の人なら、頭皮の乾きが気になったら、肌用のローションで保湿してもいいでしょう。夏は汗をかくことによって、頭皮のかゆみが誘発されやすいです。汗をかいたら、こまめな洗髪で清潔を保つようにしましょう。シャンプーをよく泡立てて指の腹でやさしく洗うことができるなら、夏場は1日2回くらい洗髪しても大丈夫です」(大塚医師)
大塚医師によると、突起の付いた洗髪用グッズ(洗髪ブラシ)を使うのはNGだという。使い方によっては頭皮を傷つけてしまうおそれがあるためだ。頭皮を傷つけず、湿疹やかゆみを誘発させないためには、洗髪は「泡だけで洗う」のが正解だという。
寝る向きを毎日変えて枕も清潔に
頭皮のかゆみが何か病気のサインという場合もあるのだろうか。
「頭皮の皮脂のバランスが崩れて起こる脂漏性皮膚炎も、べたべたした脂性ふけとともにかゆみが出やすいです。尋常性乾癬(かんせん)の発疹もしばしばかゆみを伴います。水虫と同じカビの仲間である白癬菌が頭部に感染して起こるケルスス禿瘡(とくそう)は脱毛症状を伴いながら強いかゆみが出やすいです」(大塚医師)
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かゆみが病気によるものかどうかは素人にはわかりにくい場合も多い。かゆみに加え、ふけや脱毛を伴うなど、「何かおかしいな」と思ったら、早めに医師の診察を受けて診断を仰ごう。
日頃のセルフケアとして、頭皮のかゆみ予防にできることはあるだろうか。
「まず、清潔な枕で寝ることは大事です。せっかく毎日洗髪をして頭皮の清潔を保っていても、何日も枕カバーを替えずに汚れた枕で寝ていると、そこから雑菌が繁殖して、頭のかゆみの原因になりやすいです」(大塚医師)
寝るときの向きというのも大事だという。頭のどちら側かをいつも下にして寝る癖があるという人も多いだろう。この「寝る向き」も毎日ローテーションで変えたほうがいいと大塚医師は言う。
「いつも同じ向きばかりで寝ていて、頭の同じ場所がいつも枕に当たっていると、そこがいつも汗ばんで湿疹もできやすい。さらに、顔も枕に当たる側はしわにもなりやすいです。できるだけ寝る向きは日々ローテーションで変えることをおすすめします」
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