自分の頭にふと意識を集中させてみると、なんとなくどこかかゆかったり、ムズムズしたりするもの。頭には髪が生えているので、「毛が当たる場所など、刺激がある場所はとくにかゆみを誘発されやすい」と大塚医師は話す。とくに、イライラしたときに頭をゴシゴシこする癖がある人などは、それによって頭皮に傷がついてしまい、やがて湿疹になってかゆみが出るというパターンがあるという。
「ストレスが皮膚疾患に関係していることはよく知られています。イライラやストレスによって頭のかゆみは引き起こされやすい」(大塚医師)
取材皮膚科医も悩んだ「癖」
無意識に頭をかく癖がついてしまっている場合はどんな対処法があるのだろうか。自身も一時期、髪の毛を抜いてしまう「抜毛症(ばつもうしょう)」に悩まされたことがあるという大塚医師はこう話す。
「人間にとっては、なんでも『癖を直す』というのはやはり一番難しい。頭をかく癖のある人というのは、それが一種の快楽になってしまっています。私の場合は意識的なペン回しによって物理的に頭に手がいかないようにして、髪を抜く頻度はかなり改善しました。頭をかくよりも『楽しい、気持ちいい』となるようなものを見つけてみてください」(大塚医師)
ペン回し以外で大塚医師のおすすめは、「ビーズクッションを触る」。物理的に頭に手をいかせないことが大切だ。
「もしどうしても頭をかいてしまうという場合、頭のかき方のマイルールをあらかじめ作っておくといいですね」(大塚医師)
どうしてもかゆいときには、爪でひっかいたりせずに、指の腹で頭皮をこするように頭をかくといいという。そうすれば少しでも頭皮へのダメージを少なくすることができる。保冷剤をタオルで包んで当てるのも、一時的にかゆみを抑えるには効果がある。子どもの場合は、髪を切って坊主頭にしてしまうことで、頭をかく症状が治まることもあるという。
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