「ふけは体の垢と同じく、古くなった頭皮の角質が新陳代謝して剥がれ落ちたもの。通常は洗髪することで自然に取り除かれているので目立つことはありません。ただし、なんらかの原因によって、頭皮の皮脂や皮膚常在菌のバランスが崩れてしまうと、ふけとして目立つようになってしまいます」と大塚医師は話す。
頭皮は体のなかでもとくに皮脂の分泌が盛んな部位だ。皮脂や汗などを栄養とする皮膚常在菌が存在していて、洗髪などで清潔が保たれていれば雑菌の繁殖を防ぎ、頭皮の健康に役立つように働いている。だが、皮脂が多くなると必要以上に増殖してしまう。
「この皮膚常在菌の正体はマラセチアというカビ(真菌)の一種で、皮脂の多い場所を好むのが特徴です。皮脂の多い環境下で増殖しすぎると、脂漏性皮膚炎という炎症を起こしやすくなります。脂漏性皮膚炎は皮膚の赤みや湿疹、かゆみなどを伴い、黄白色でベタベタしたふけやかさぶたのような大きめのふけが頭皮に生じます」(大塚医師)
2対1で男性に多い脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は頭皮だけでなく、皮脂の分泌が盛んな顔の表面などにも生じる。とくに髪の生え際、Tゾーンなどだ。男女比は2:1で男性に多く、幅広い年齢にみられるが、乳児と中高年、とくに50歳以降に多いという。
「成人の脂漏性皮膚炎は、洗髪不足で頭皮を不潔にしているような場合を除いて、加齢による皮脂のバランスの乱れが主な原因です。ですから、皮脂の分泌が盛んな10~20代よりも、ホルモンなどさまざまなバランスが崩れはじめる中年期以降に多くみられます」(大塚医師)
脂漏性皮膚炎の主な症状は「ふけ」だが、間違えられやすい症状や病気はあるのだろうか。
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