昨今はさまざまなヘアケア剤が市販されているが、その効果や頭皮への影響はどうなのだろうか。
「アルコール成分入りの少しスーッとするタイプの育毛剤は、脂漏性皮膚炎などの頭のかゆみを和らげてくれるようです。ただし、乾燥気味などで頭皮の状態が悪い場合だとかぶれやすくなるので注意が必要ですね。頭皮に湿疹などがあるときには、白髪染めなどの毛染め剤はかぶれの原因になるため、使用を避けましょう」(大塚医師)
帽子好きな人も頭のかゆみが気になる場合は注意が必要だ。帽子をかぶると汗がこもって蒸れやすいため、頭皮のかぶれや湿疹も生じやすくなる。できるだけ通気性のいい素材を選び、こまめに着脱するなどして、汗がこもらないようにすることがかゆみの予防には大切だ。帽子も枕と同様、洗濯などをして清潔を保っておきたい。
頭のかゆみは皮膚科専門医へ
どんな症状がみられたら病院やクリニックへの受診を考える必要があるのだろうか。
「かゆみで仕事が手につかないなど、生活に支障が出るほどかゆみが強いときは皮膚科を受診しましょう。また、頭皮から汁が出てきたり、かゆみが痛みに変わってきたりしたときにも受診してほしいと思います」(大塚医師)
そもそも、頭のかゆみについて、「どこの診療科で診てもらったらいいのかわからない」という人もいるかもしれない。頭皮の診療は皮膚科の管轄だが、どの皮膚科でもしっかりと対応してくれるのだろうか。
「たとえば、内科や泌尿器科など、複数の診療科をいくつも標榜しているクリニックの皮膚科よりも、皮膚科専門の医療機関をおすすめします。皮膚科専門医であれば、皮膚のさまざまな症状、ケースでも経験や知識も豊富ですから、安心して受診できます」(大塚医師)
頭皮のかゆみで困っていたら、ぜひ一度、皮膚科専門医に相談してみてはどうだろう。
(取材・文/石川美香子)
大塚篤司医師
千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら