山折:次のテーマに移ります。移るといいましても、教育ということ、人間学ということではつながりがあるのですが、昨今よく言われるグローバルリーダーということについて、お話を伺いたいと思います。
まずは「日本人」であれ
葛西:最近になってグローバルリーダーという言葉をよく聞きます。しかし、グローバルリーダーとは何かという定義は、きちんとなされていません。英語ができればいいと言う人もいます。東大のように、外国人の学生が日本の大学にたくさん来て学ぶようになれば、日本の大学がグローバル化すると言うような人もいます。
しかし、言葉はできたほうがもちろんいいですが、問題はやっぱり人間力だと思います。人間力をもって、相手に対して対等、互角、あるいはそれ以上の立場で接することができる人間が、グローバルリーダーになり得るのだと思います。ということは、それこそ自分は何だと、人間は何だと、日本人は何だということについての見識がないと、絶対に尊敬されません。
山折:そのとおりだと思います。まずは日本人でなければならない。
葛西:私もアメリカ人やイギリス人ともよく付き合います。特にイギリス人がそうなんですが、共通の世界観、歴史認識、知識をお互いが持ち合っているときに初めて、話しても意味のある人間だと判断する傾向があるように思います。
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