日本人が「上司に弁当頼まれたら平気で買う」なぜ 日本と欧米における「権力」の決定的な違い

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会社は地位の権力を誰かに与えることも、奪うこともできる。権力は会社や仕事を結びついているだけで、特定の人物と結びついているわけではない。会社はまた、地位の範囲を明確に定義し、それはマネジャーにも、その部下にも伝えられる。ルールにのっとって行動すれば昇進し、無視すれば解雇されるかもしれない。

「情緒的権力」とは何か

一方、地位の権力の反対は、「情緒的権力」である。情緒的権力は人と人との関係にあり、ある人が他の人に対する好意から、関係性を悪化させないために態度や行動を変えることだ。ここでいう報酬は愛情や気遣い、そして強制は無視や放置のことである。

情緒的な権力は、すべての人間が日常的に使っているものである。親は子どもの幸福のために自分の行動を変え、ある人は困難な仕事を成し遂げるために友人を助け、また、ある人は関係を危険にさらしたくないので、自分が認めていないことに「イエス」という。

しかし、詳細に定義され、従業員に伝えられる地位の権力とは異なり、情緒的権力は無意識に使われることが多い。そして、この権力は地位ではなく、人と結びついているため、職場を離れても失われることはない

一概には言い切れないものの、どちらの権力を志向するかは国によって異なる傾向がある。

例えば、欧米の企業では、地位の権力があらゆる協力関係の基盤となっている。各従業員に対して個別の雇用契約が結ばれ、そこにはすべての義務、責任、権力関係が詳細に記述されている。これらの契約は、しばしば非常に長い。

そして何より、何が許され、何が禁じられているのか、全員が正確に把握できるように配慮されている。欧米では、これによって虐待や差別が減り、社員間の権力差が少なくなると考えられている。権力構造というものは、自然に発生するものではなく、定義され、伝達され、厳しく監督されるものなのである

このため、欧米の企業は情緒的な権力は重要視されない。仕事のプロセスは専門的でなければならず、個人的な関係に影響されてはならない。アメリカなど一部の国では、特にこの点が厳しく定められている。マクドナルドのCEOが従業員と交際していることが判明したとき、彼はその地位を去らなければならなかった。

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