「喋りの達人」くりぃむ有田哲平が明かす"超極意" チュートリアル福田充徳の「聞く技術」も凄かった

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――確かに、どれだけ熱く魅力を語っても、そもそもプロレスに興味のない相手だったら、流されてしまいそうです。

有田哲平さん(撮影:尾形文繁)

有田:YouTubeチャンネルの前身の番組で、初回のゲストがピースの綾部(祐二)だったんです。綾部は絶対にプロレスが好きじゃないのに、先輩・後輩を大事にするから、きっと興味がなくても僕の話を聞くんですよね。そういう気を遣わせたくないし、面白くないのに面白いとは言ってほしくない。

どういう話をすればいいのかと考えて、「プロレスの歴史をイチから話そう」となったんです。ひとつの事件や試合だけを解説しても、絶対プロレスを好きにならないので、授業みたいに、これだけ聞いておけばプロレスの歴史がわかるから、と。そういう経験にも基づいていると思います。

お笑いもそうですけど、面白い話をしようと思っても、相手が聞いてくれないときもあるんです。これからオチなのに、携帯いじり始めたりして(笑)。引きつけるためにはどういうテンションでしゃべらないといけないかな、とか考えますね。

喋りが上手い人はみんな型を持っている

――お笑い芸人やタレントで、喋りがうまい人はたくさんいると思いますが、お手本にしている人はいますか?

有田:お手本は本当にないんです。芸人やタレントでも、一言で終わらせる人もいれば、長尺で喋る人もいる。オチは無くてもユニークな話をする人とか、喋りにもいろいろなスタイルがあって。

芸能人に限らず、スタッフでも一般人でも、「この人の話は面白い」「その技術を欲しい」と思う人はいっぱいいます。でも、自分が好きだからと言って、その人の喋りを真似しようとするのではなく、自分に合った型を見つけることです。

これは企業秘密ですが、喋りが上手い人はみんな型を持っていて、お笑いの面白さもそこにあります。型を持っている芸能人たちが、ネタをつくらずに、手ぶらで集まってトークをしても、絶対に面白くなる。各自がスタイルを持っていて、プロレスでいうとバトルロイヤルになって盛り上がるんですね。

――うまい人の喋りを参考にするというより、自分の型を見つけるほうが大事だと。その型を見つけるコツがあれば教えてください。

有田:飲み会でも、やっぱりポジションがあるんです。僕みたいにペラペラ喋る人間がいれば、ツッコむ人もいます。うまく話せない、ノリについていけないという人は、絶対に黙らないこと。会話に参加しながら、「なるほど!」「へえ!」と相槌を打って、話を聞いていればいいんです。そうすれば話すことがなくてもいいし、(面白い話をしろと)無茶振りされることもない。喋りの型はたくさんあるので、そのうち自分に当てはまるものが見つけられると思います。

そもそもうまい司会者は、自分では喋らないですからね。人に話を振って引き出して、なるほどと相槌を打つ。ペラペラ喋れるから話がうまい、ということでは決してないんですね。

それこそ福田とは、『しゃべくり007』で共演して15年くらいになります。(同番組の出演者でネプチューンの)堀内健と原田泰造と、収録が終わった後によく飲みに行っていたのですが、あるとき「お前も来いよ」と福田を誘ったら、とにかく会話がスムーズになったんです。疲れてだらっとしていても、福田がどこかから話題を持ってきて、結局4~5時間も盛り上がるみたいな(笑)。

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