「喋りの達人」くりぃむ有田哲平が明かす"超極意" チュートリアル福田充徳の「聞く技術」も凄かった

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――飲み会の席でも福田さんがいるだけで会話がスムーズになると伺いましたが、日ごろから聞くことに関して何か心がけているのでしょうか?

福田:僕は「福田はメイクさんとよくしゃべっている」と、ほかの芸人から驚かれたことがよくあります。芸人に対して、「オチのない話をするな」「その話、何がおもろいねん」と言われそうなイメージを持って、あまり喋れない人が結構いるんです。

僕も芸人ですが、そういうのは苦手で。もう何も話すことがない、となってしまうじゃないですか。だから、メイクさんの何気ない話でも普通に聞きます。話す側からしたら、この人は聞いてくれるんやと、ハードルが低いのかもしれないですね。

聞く人がいないと現場がうまく回らない

――聞き上手であることが、番組でもそれ以外でも重宝されていますが、その役割の重要性に気づいたきっかけはありますか?

福田:バラエティーなどで芸人ばかりが出演すると、みんながボケたりツッコんだりしてしまうんです。ゲストが芸人でも何でもなくて、普通の話をし始めたときに、聞く人がいないと現場がうまく回らないと感じたことがあって。ゲストもその場にいづらいし、オチのある話をしないといけない、となってしまうんです。

大きなエピソードでなくても、僕のような聞き手が入って、驚いたり感心したり、疑問を持ったりとリアクションすることで、ゲストはのびのびと番組収録ができる。なので、こういうポジションの人は必要だな、と思ったことはありました。

――人の話を聞くのがあまり得意でない、と言われがちな人に、何かアドバイスがあれば教えてください。

福田:誰でも自分の話をしたいですよね。でも、まずは相手の話を聞く。例えば、最近見た映画について喋りたいときは、「最近のおすすめの映画ある?」と質問して、答えを聞いてから、「僕はこの前トップガンを観て、めちゃくちゃ面白かったんやけど」と入るのがいいと思います。

あとは相手が話しているとき、「聞いています」「興味があります」という姿勢をアピールするのは大事かなと。それがないと、喋る気が失せてしまいますから。

――自分にとってどうでもいい話をされる、という状況はありがちかと思いますが、福田さんはどのように興味がある姿勢を保っていますか?

福田:基本的には相手の方の話をすべて肯定します。ロケに行って、一般の方と話すときも、「よかったですね!」「すごいですね!」と、良いほうの反応を示すように心がけています。そうしていれば、相手の方も嫌な気持ちがしないですし、笑顔でいれば自然と楽しい気持ちになるように、コミュニケーションも自然と円滑になると思いますね。

 

この記事の前編:くりぃむ有田哲平がYouTubeで見つけた「新境地」
肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト

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こえぬま かずゆき / Kazuyuki Koenuma

1980年東京都生まれ。ルポルタージュや報道系の記事を主に手掛ける。著書に『究極の愛について語るときに僕たちの語ること』(青月社)、『フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。』(実務教育出版)。東京・新宿ゴールデン街の文壇バー「月に吠える」のオーナーでもある。ライフワークは愛の研究。

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