もし「日銀バブル」が崩壊したらどうなるのか 日経平均「15年ぶり高値」の裏側にあるもの

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藤野:メガバンクは保有している国債を日銀に買ってもらう。そこで得た国債の売却資金を、今度はJ-REITの買い付けに回している。企業融資などの成長資金には回らない。なんだか滅茶苦茶な状態ですね。

渋澤:しかも機関投資家は、保有している国債が償還を迎える一方、新たに発行される国債は金利がゼロだから、投資資金を持っていく場がない。マーケットがどんどん、ひずんでいく感じがします。

中野:渋澤さんも藤野さんも、長年、金融の世界で生きてきたわけですよね。言うなれば、この分野のプロです。でも、今の状況をきちっと整理して説明しろと言われても、なかなか決め手に欠ける。そんな状況ですから、多くの国民は今、債券市場や株式市場で何が起こっているのか、ほとんど理解できていないのではないでしょうか。そのなかで、恐らくはとんでもないことが起こっている。よく考えてみると怖い話です。

渋澤:運用会社にはスチュワードシップ・コード、企業にはコーポレートガバナンス・コードが導入されつつありますが、国家資本主義が進むとなれば、政府や中央銀行にもコードが必要になるはず。でも、この状況を見て国民がジャッジするのは非常に難しい。このままだと、政府や中央銀行のやりたい放題になることを懸念します。

藤野:金利が消えつつあることの意味を、もっと深く考える必要はあるかも知れませんね。要するにこれって、みんなが現金をそのまま抱えて、じっとしているからでしょう。この間、ある小売業の経営者と、最大のライバルはどこかという話をしていたのですよ。本来なら、どこかのスーパーマーケットとか、百貨店とか、あるいはネット通販の名前が挙がると思うじゃないですか。

ところがそうじゃない。最大のライバルは「現金」だというのです。20万円の現金と20万円のバッグを並べた時、多くの人は現金を選ぶと言うんですね。完全にお金が目的化している。お金を使って何かをしようという発想がなくなっている。拝金主義ここに極まれり、という感じです。

中野:人生で最も大事なことはお金を集めること、なんですね。

渋澤:しかも、それを日銀がバックアップしているようにも見えます。何しろETFやJ-REITを買って、世の中にお金をどんどんばらまいているのですから。

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